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日本の大学運動部は男性ばかり? 女性の成長機会奪う ドーム社長 安田秀一 学生スポーツの機会均等(下)

2019/4/12

全国高校駅伝で活躍した女子選手も卒業後は実業団が活動の中心となることが多い(2016年12月)=共同

米スポーツブランド「アンダーアーマー」の日本総代理店、ドームで社長を務める安田秀一氏が前回(「女性CEOの8割が運動部系 米国学生スポーツの公平」)に続き、学生スポーツの意義と価値を説きます。米国では教育における男女の機会均等を求める「タイトルナイン」という法律が制定されています。同氏は自身の経験を踏まえつつ、日本で真の平等を実現するための環境改善を若者と国に対して提言しています。

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日本の大学運動部に関しても伝統的に「体育会は人を成長させる」 という考え方はあります。ところが、その中身は「忍耐力がつく」とか、「指示に従う」といった程度のものばかり。僕自身も法政大学アメリカンフットボール部出身ですが、就職活動の時に先輩たちから「体育会らしく元気をアピールすること!」というステレオタイプ的なアドバイスをされました。スポーツの価値はそんなに単純ではなく、もっと深いものです。

■アメフト経験が企業経営に生かされている

僕は大学時代にアメフト部のキャプテンを務めました。最大の目標は当時無敵だった、篠竹幹夫監督率いる日本大学を倒すことでした。勝ちたいのはもちろんですが、自分がどこまでできるのか、つまりは「人生のリトマス試験紙」になると感じていました。4年生の時に日大の連勝記録を止めたのですが、勝利の満足感よりも、これから長く続く人生への自信を手に入れたと感じました。勝利に向けて、綿密な戦略を立て、それを着実に実行する方法を考える。部員全員にそれを浸透させる。必死で取り組んだ当時の経験が、現在の企業経営においてどれだけ生かされているか。ここで書ききれるものではありません。

日本で大学運動部への参画率は男子が圧倒的に高いと思います。マラソンもバレーボールもバスケットボールも、高いレベルの女子アスリートは高校卒業した後、実業団がその活動の中心になります。スポーツは充実した人生を送るために必要な能力を育ててくれるのに、学生時代にそれを享受するのは男子ばかりというのはおかしな事態です。運動部に入るかどうかは個人の自由だから差別ではない、という考え方もあるでしょうが、現実にこうした状況が生まれる理由があるのです。学生スポーツの指導者には男性の方が多かったり、軍隊的な慣行や厳しい上下関係、体罰やパワハラ体質を抱えることと無縁ではないでしょう。

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