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女性CEOの8割が運動部系 米国学生スポーツの公平 ドーム社長 安田秀一 学生スポーツの機会均等(上)

2019/4/10

米国ではある法律がサッカーなど女子スポーツを大きく発展させた(2018年12月)=USA TODAY

日本で女性の社会進出が課題となって久しいですが、欧米に比べて経営者やリーダーに女性が少ないのはなぜでしょうか。米スポーツブランド「アンダーアーマー」の日本総代理店、ドームで社長を務める安田秀一氏の連載コラム。米国の大学スポーツやビジネスの実情に通じている同氏は、米国の女性経営者の多くが学生時代にスポーツを経験していることとの関係を指摘しています。

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女性が男性と同じように活躍できる社会の環境整備が日本でも重要課題となっています。この問題でこの国が欧米の先進国から遅れているのは明白な事実でしょう。状況を変えてくれる画期的な処方箋はないものでしょうか。僕は米国で1972年に制定された「タイトルナイン」と呼ばれる法律が一つの決定打になると考えています。

■「機会の平等」は建国の理念

米国は建国の理念として「機会の平等」を掲げる国です。平等とは何か、というテーマについて、日本とは比較にならないほど深く、哲学的に考察を続ける社会だと思います。例えば日本では誰もが無条件で参加できることが平等であると考えがちです。生まれた年代によって子どもたちを分け、成長の早い子も遅い子も一緒にして競わせます。これは本当に平等でしょうか。米国では個人の多様性なども考慮し、その上で本当の意味での機会の平等に近づけるにはどうすればいいのかを考えます。その結果、飛び級制度や能力別の授業が当たり前となっています。

そんな国が今から50年近くも前に、男女の平等、機会の均等が実現した社会を目指して定めたのがタイトルナインです。

この法律は米国全体をカバーする連邦法で、女性のスポーツへの参画を促し、米国の女子スポーツを大きく発展させました。その結果、米国では最高経営責任者(CEO)など組織のリーダー的な立場で活躍する女性が格段に増えたことが明確なデータとして現れています。

タイトルナインは「連邦から資金援助を受けている高等教育機関においては、あらゆる面での男女差別を禁止する」という内容です。教育における男女の機会均等、性差別の禁止を求めたものですが、実際には大学スポーツの分野でも広く適用され、大きな影響を与えました。米国でスポーツに関わる人はほぼ全員がこの法律の存在を知っています。一方、日本でスポーツに関わっている全員が知っている法律など思い浮かびません。

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