激安アウトドア衣料 ワークマンプラスをプロと点検
作業服販売大手のワークマンが手がける新業態「ワークマンプラス」。ファッション性を高めたカジュアルウエアで新素材の発掘から製造販売まで自社で一貫し、徹底したコスト管理で低価格・高機能を両立するとうたう。
アウトドア用品の専門家である田中崇氏がまず注目したのが、新商品の「DIAMAGIC DIRECT クライミングパンツ」だ。従来、クライミングパンツは登山やボルダリング向けの商品だが、最近では街着として取り入れる人も増え、多様なブランドが参入。「アウトドアブランドの場合、8000~1万5000円程度が主流」(田中氏)というなか、同社の新モデルは何と2900円(税込み)と破格だ。
安いだけではなく、機能も充実。伸縮性130%とうたう通りストレッチ性は抜群で、ファスナーの開閉でショート丈にもなるギミックまで備える。ショート丈にならないタイプなら1900円からとさらに激安だ。
一方、スポーツウエアでも驚きの逸品があった。スポーツウエア担当の高島真理氏が目を見張ったのが、「冷感リフレクティブ」シリーズだ。
半袖Tシャツは1枚580円(税込み)ながら、スポーツウエアで主流の「吸汗+速乾+冷感+UVカット」の4機能を盛り込む。「スペックが同じとは限らないが、これらの機能を持つ素材を使うと生地代だけで1000円程度かかる場合もある」(高島氏)という。大手スポーツブランドの商品には、通気性を高めるベンチレーションや防臭といった付加機能が充実するものも多いが、価格は2000円から、高いものでは5000円にもなる。付加機能が不要なら、試してみる価値はある。
●携帯性抜群の軽量ジャケット、もしもの雨に備えるのに最適
約170g(Lサイズの場合)の軽量アウター。薄型ながら耐水圧は2000mmあり、ちょっとした雨なら対応できる。アウトドアブランドの薄型ジャケットに比べると耐水圧などは低いものの、価格は5分の1程度と手頃だ。
(注)「エアシェルジャケット」は4月下旬発売予定
●「ほぼ綿素材」で丈夫な現場服は動きやすく、キャンプにも重宝
現場作業向けだが、「キャンプなどに最適」とプロが推す。生地の97%が綿で、「火の粉がかかっても燃え広がりにくい」(田中氏)。アウトドアブランドのたき火用ウエアが1万円を軽く超えるなか、コスパは高い。
●メッシュ素材を広範囲に配置、通気性とフィット感を両立
背中と脇にメッシュ素材を使った通気性抜群のスポーツウエア。1780円(税込み)と、同社のシャツ類では値が張るが、背面メッシュ部は圧着接合にするなど、「ストレスを感じにくくする工夫がある」(高島氏)。
●汗を素早く通す裏地を採用、アウトドアインナーに向く
水分を素早く表地に移行させる特殊素材を裏地に採用。肌へ汗戻りしにくく、さらさらとした着心地に。「硬めの肌触りは好き嫌いが分かれそうだが、アウトドアインナーとしては魅力的」(田中氏)。
●高耐久素材を肘や肩に配置、作業者以外でも一見の価値あり
耐久性に優れた「CORDURAナイロン」を肘や肩に使用。ツーリングだけでなく、「バックパックを背負うアウトドアの場面でも使える」(田中氏)。ファスナーの開閉でベストに変身。
まだある!一芸の逸品
過酷な現場で培われた技術を盛り込んだ一芸商品が多いのも、ワークマンの魅力だ。例えば、「ファイングリップシューズ」は、耐油・耐滑底を採用。厨房用シューズを開発する同社だけあって、機能には定評がある。街で着られるデザイン性の高い空調服などにも注目だ。
爪先に樹脂製の芯を入れたセーフティシューズながら、ニット素材を使用し軽量化。底面の溝を工夫し、屈曲しやすいのも特徴だ。アウトドアなどで重いものを運ぶ際に利用すると安心。
作業時の熱中症対策で話題になった空調服。鮮やかな色のベストタイプなら、キャンプやフェスで気軽に使える。ファンとバッテリーは別売りで、税込み1万4500円。
(注)「空調服ハイブリッドベスト」は4月中旬発売予定
防水素材を使っているのに加え、外側に縫い目がないため水や泥汚れに非常に強い。マリンレジャーやウインタースポーツ、キャンプなど幅広いシーンで役立ちそうだ。容量は約30L。
[日経トレンディ2019年5月号の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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