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言葉の使い方を間違えて相手に誤解されてしまった。そんな体験はどなたにもあると思います。日本人向けの英語教育で豊富な経験を持つデイビッド・セインさんが、日本人が間違えやすい英語の使い方を解説します。今回は、会社では必須とも言える単語staffについて確認しておきましょう。

◇  ◇  ◇

勉強するときはいつも完全を目指す。しかし会話をするときは通じることを目指す。これが英会話には必要なポイントです。相手を前にして英語を話すときは、完璧な英語でなくても構いません。間違いがあってもいいのです。フレンドリーに笑顔で話せば、不完全さは補われます。間違いを恐れず英語を話しましょう。そして勉強するときは完全を目指しましょう。

ヒロシとナンシーが勤める会社にも、今月から新しい社員たちが入ってきたようです。背の高い新人がいるみたいだと伝え聞いたヒロシは、ナンシーに向かって「新しいスタッフは大きいんだってね」と英語で言おうとしました。ところが、どうもうまく伝わらなかったのか、会話がちぐはぐになってしまいました。おかしなことは何もしゃべっていないつもりなのですが……。

それは、こんな会話でした。

Hiroshi: I heard our new staff is big.
Nancy: Really? There's only 20.
Hiroshi: He's only 20 years old?
Nancy: Sorry, I'm confused.

日本語に直すと次のようになります。

ヒロシ:たくさんの社員が入ったんだってね。
ナンシー:うそでしょ? ほんの20人よ。
ヒロシ:彼はほんの20歳なの?
ナンシー:ごめん、訳がわからないわ。

日本語では「スタッフ」という言葉は個々の人物を指すことができます。しかし英語のstaffは、職員の集合体を表す言葉なのです。たとえ不定冠詞aを付けてa staffと言っても、それは一人のスタッフのことではなく、ひとまとまりのスタッフ集団を意味します。そのため、ヒロシが言ったour new staff is bigとは、「新入社員の集団が大きい」ということ、つまり「新人たちの人数が多い」ことにほかならなかったのです。

これに対してナンシーはThere's only 20.(20人しかいない)と答えました。もちろん、これは文法的にはThere are only 20.とするのが正しい言い方です。しかし、日本語でも「ら抜き言葉」のように、文法上は間違いでも多くの人が使っている表現があるように、複数名詞の場合にThere's(=There is)と言う英語ネイティブは案外います。ヒロシは一人の新入社員について話しているつもりでしたので、ナンシーのこの発言を勘違いして、20歳の社員がいると受け取ったのでした。

では、どう言えばよかったのでしょうか。

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