ローン審査で失格 延滞履歴はこうチェックされる

写真はイメージ=PIXTA
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4月からの新生活に向けてクレジットカードの入会や住宅ローンなどの契約を考える人もいるでしょう。カード会社や金融機関は契約の可否を判断するため、申込者に延滞の前歴がないかといった情報を調べます。そうした情報をカード会社などはどのように集め、どのように使っているのでしょうか。

カード業界や銀行業界などには、消費者ひとりひとりの信用情報を会社間で共有する仕組みがあります。消費者の信用度を確かめて多重債務の発生などを防ぐのが目的です。一般に信用情報機関と呼ばれ、3団体あります。

カード会社などが加盟するシー・アイ・シー(CIC)、貸金業者が中心の日本信用情報機構(JICC)、全国銀行協会が運営する全国銀行個人信用情報センターです。

加盟各社は自社の契約者の情報を信用情報機関に持ち込みます。情報は他の加盟会社がアクセスできるようになっています。ではどんな情報を共有しているのでしょう。

代表的なのがクレジットやローンの契約内容、毎月の支払い・返済状況、現在の債務残高です。契約の申し込みを受けた会社はその人の情報を機関に照会し、問題ないと判断すれば契約します。延滞が重なっていたり、複数社に同時に申し込んでいたりすると契約を断ることがあります。

各信用情報機関が、ネットワークを通じて横断的に情報をやり取りすることもあります。例えばクレジットカードで支払い遅延を起こした人が銀行でローン契約を申し込んだとしましょう。銀行はカード業界の機関CICの情報をネットワークを通じて入手して審査の参考にします。

あるいは携帯電話会社で分割払いでスマートフォン(スマホ)を買った人が延滞をしたとします。その情報は、カード会社や金融機関などに把握される可能性があります。

スマホ代・奨学金の返済状況も

携帯電話会社は信用情報機関に加盟しており、その情報はネットワークを通じて他の業界も把握できる仕組みになっています。日本学生支援機構から奨学金を借りて延滞した場合も同様に情報は共有されます。

信用情報は本人が郵送などで手続きをして請求すれば開示を受けられます。例えばCICでは契約内容のほか過去24カ月分の支払い・返済状況などを確認可能です。このため自身の支払い状況に問題がないかを定期的に確認する人がいるそうです。

クレジットカードを特典目当てなどから次々と作った結果、自分で把握しきれなくなり、何のカードに契約済みなのかを確認する人もいます。情報開示を請求できるのは原則本人のみです。請求時には一般に運転免許証などの本人確認書類が必要となり、1回500円または1000円の手数料がかかります。

信用情報機関には別の利用法があります。運転免許証や健康保険証など身分証明書を紛失すると、他人がそれを悪用して本人になりすまし、クレジットやローン契約を結ぼうとするかもしれません。信用情報機関はそうした紛失情報の届け出を受け付けています。ただちに知らせておけば、加盟各社は情報を共有でき、契約審査時に気付くので悪用を防げる可能性が高まるでしょう。

[日本経済新聞朝刊2019年3月30日付]

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