バーミキュラVSル・クルーゼ 無水調理鍋で加熱実験合羽橋の台所番長が斬る! いまどきの料理道具を徹底比較

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今回検証した、直径22センチの鋳鉄ホーロー鍋5種類。気密性、重さや蓋の形状を比較する
今回検証した、直径22センチの鋳鉄ホーロー鍋5種類。気密性、重さや蓋の形状を比較する

合羽橋の老舗料理道具店「飯田屋」の6代目、飯田結太氏がイマドキの調理道具を徹底比較。今回は、ここ数年で鍋の定番となった鋳鉄ホーロー鍋を加熱実験した。

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こんにちは、飯田結太です。ここ10年ほどで人気が高まり、定番となりつつある鋳鉄ホーロー鍋。代表的なものにフランスの「ル・クルーゼ」や名古屋市の鋳造メーカー、愛知ドビーの「バーミキュラ」があります。これらの鍋が人気なのは、色が豊富でデザインがおしゃれということもありますが、一番の理由は食材のうまみや栄養を逃さずにおいしく仕上げることができるから。代表的な調理方法に、水分をほとんど加えなくても素材の水分だけで調理できる無水調理(蒸し調理)があります。

合羽橋の老舗料理道具店、飯田屋の6代目、飯田結太氏

無水調理ができるのは鍋の構造によるもの。鋳鉄特有の熱伝導と保温性に優れているのはもちろん、密閉度の高い蓋と、蓋の内側に施されている突起によって、食材に熱を加えると発生する水蒸気を鍋の中で対流させて閉じ込め、食材の水分だけで調理ができるのです。

特に、他の鍋に比べて蓋が重く、内部に突起や波紋などが施されているものが多いのも特徴の1つです。直径22センチサイズだと、本体と蓋で3キロ以上あるのが一般的。

重みのある蓋で気密性を高くし、加熱して水蒸気が発生することで、鍋の溝と蓋の間に水の膜「ウオーターシール」ができ、水分の過剰な蒸発を防いで、均一に熱が入ります。少しの加熱でも、蓋を開けない限りは保温が持続して、食材にじんわりと熱が入っていくので、シチューやカレーなどの煮込み料理、かたまり肉のローストなどが得意。プロにも愛用者が多くいます。アウトドア料理に用いられるダッチオーブンを家庭用に使いやすくしたものが鋳鉄ホーロー鍋といってもいいでしょう。

そこで今回は、人気の5つのメーカーの直径22センチサイズの鍋を徹底的に検証しました。まずは、5つの鍋の紹介から。

プロに長く愛されてきたフランス製の3つの鍋

鋳鉄ホーロー鍋といえば、広く知られているのがフランス製です。日本で最も知られているのは、「ル・クルーゼ」。色が豊富で鮮やかなので女性に人気があります。

蓋がドーム型になっているのも特徴の1つ。熱が急激に高くなったときの吹きこぼれを防ぐために、蓋の周囲3カ所に膨らみがあり、蒸気が抜けるようになっています。他の鍋に比べて、蓋の溝が浅めなので、本体に載せるイメージが強く、少し頼りなさを感じることもあるかもしれません。

ル・クルーゼ「ココット・ロンド」(税別3万3000円)。直径22センチ、容量3.3リットル、重量約3.7キロ(内、蓋の重量約1.36キロ[実測値、以下同])、サンドホーロー。サンドホーローは鍋の内面が白くてツルツルした作り。汚れが落ちやすく、調理中の様子も分かりやすい
蓋の内側は突起なし。ドーム型になっていて、溝の3カ所が膨らんでいて、蒸気をコントロールする仕組み

業務用として開発され、後発ながらル・クルーゼに並ぶ人気の鍋が「ストウブ」。内面は黒く、ザラザラとした加工がされていて油なじみがいいのが特徴です。

また、蓋の内側には全面にピコと呼ばれる小さな突起があり、加熱で発生した水蒸気が水滴となって垂直に食材に落ちてまんべんなく水分がいきわたり、均一に調理ができる仕組み。ル・クルーゼよりも溝が深いのでしっかりと蓋が閉まるようになっています。

ストウブ「ピコ・ココット ラウンド」(税別3万円)、直径22センチ、容量2.6リットル、重量約4キロ(内、蓋の重量約1.42キロ)
蓋の内側にはピコと呼ばれる小さな突起がある。溝が深いのでしっかりと本体にはまる
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