要点3 お金を気にしないためのルール作りが大切
お金は老後の大切な柱。いくらあれば足りるのかは誰もが気にする大問題だが、好みも生き方も違うのだから、必要な金額は人それぞれ違う。いろんな情報に翻弄され、お金のことを考えてばかりの生き方は貧しい。この金銭万能社会で一番の贅沢はお金のことを考えずに済むことなのだから、そのためのルールを自分で考えたい。著者の場合、朝、所持金を点検する、リュックの中身の一覧表を作るなどの工夫で、お金を気にせず生きている。高くてもいいものを買うなど初期投資を惜しまないことも、出費を抑えるための知恵だ。
要点4 楽しく暮らすために自分なりの工夫を
お金のことも日々の楽しみも、自分なりの工夫が大事。著者が心がけているのは、おしゃれをすること。たとえ近所でも必ず着替えて出かける。明るい色の服を選び、季節ごとの組み合わせも考える。年寄りのおしゃれには、誰も気にしないからこその楽しさがある。
旅を最大限に楽しむコツは、1日分くらい余裕を見て日程を組み、旅行会社に任せずに自分で計画を立て、帰ってからちゃんと記録をまとめること。お気に入りの飲食店や宿を増やして、オーナー気取りで定期的に見て回ることも勧めたい。工夫して、自分をこまめに外出させるよう仕向けよう。
要点5 主治医は「自分」 病院任せは禁物!
人間には自分を癒やす力がある。病気を治すのは自分自身で、医者や薬はその手助けをするだけだ。自分を一番知っているのは短時間診察しただけの医者よりも自分なのだから、主治医は自分と考えよう。治る見込みもないのに、生きても死んでもいない状態に留め置かれたりしないためにも、病院に全部を任せてはいけない。
(手代木建)
[日経ウーマン 2019年2月号の記事を再構成]