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「楕円桜」 ジャパン応援歌、東北の被災地に響く

シンガーソングライター・渡瀬あつ子さん

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NIKKEI STYLE

アジア初のラグビーワールドカップ(W杯)が9月20日~11月2日に日本で開かれる。著名人に自分自身が思うラグビーの魅力を聞くインタビュー企画「W杯だ!ラグビーを語ろう」第4回は、福島県南相馬市出身のシンガーソングライター、渡瀬あつ子さん(43)が登場する。

胸に桜のエンブレムをつけるラグビー日本代表(ジャパン)のチームソングとして生まれ、高校ジャパンに引き継がれている歌がある。渡瀬さんの作詞作曲による「楕円桜(だえんざくら)」。2008年にCDが発売され、動画サイトなどを通じても知られるようになった。東日本大震災が起きた2011年以降はラグビーファンだけでなく、渡瀬さんの故郷である福島県南相馬市など被災地の人々の胸にも響く曲となっている。

――「楕円桜」誕生の経緯を教えてください。

「大学卒業後、派遣社員として4年ほどNEC関連会社に勤めた縁で、ジャパンのスタッフだったNECラグビー部のOBからオファーされました。2007年のW杯の前で、ニュージーランド(NZ)出身のジョン・カーワン日本代表ヘッドコーチが『自分たちの曲がほしい』と。06年にラグビーを見始めたばかりの私にはむちゃぶりで、最初は断ったのですが『W杯までに』とせかされて。選手たちが移動のバスなどで歌うチームソングとしてつくりました」

――どうしてラグビーのファンに。

「やはりNECラグビー部OBの方々が観戦に誘ってくれたのがきっかけです。これも最初はいやいやだったんですが、NECが日本選手権で東芝府中(当時)と両チーム一緒に優勝するタイミングとも重なり、ルールもわからないのに応援に夢中になりました。『アフター・マッチ・ファンクション』(試合後に両チームが互いをたたえ合うラグビー伝統の交歓会)と称して、観戦後に必ずみんなでお酒を飲むのもすごく楽しかった」

――ラグビーのどこに魅力を感じましたか。

「前進してトライするのにボールは後ろにしかパスできないルールとか、どこに転がるかわらかなくて私には扱いづらい楕円球は、とても不思議でした。それを魅力と感じて熱く語る人間たちが、すごく面白かった。それも利害関係、損得勘定抜きで接してくれて。当時、音楽事務所と利害関係でトラブっていた私には『こんな場所があるのか』とオアシスのように感じました。みんなに教えてもらったたくさんの魅力が、『楕円桜』の歌詞につながりました」

――歌は「転がったボールの行方 誰も知ることのない道」で始まります。とくに気に入っているフレーズはありますか。

「2番冒頭の『過ぎし日の流す涙に ここにいるその訳を知る』ですかね。この歌詞を書けたのは、たぶんラグビーと出合ったから。それがなければ、私自身も、ただ報われない気持ちのまま終わる音楽人生だったかもしれないですね」

リクエスト受けて避難所で歌う

――故郷の南相馬市は東日本大震災で大きな被害を受けました。どんなふうに過ごされたんですか。

「実は震災翌日に都内で(自分の)結婚式を予定していたのですが、延期しました。こんなときに歌っている場合じゃないと思って、別にできることをやらなきゃと、実家と東京を行ったり来たり。そのうちSNS(交流サイト)やラジオで『福島出身のシンガーの曲です』と楕円桜が紹介されるようになりました。私には歌うことしかできないなとも感じ、避難所を回るようになりました」

「被災地で歌うときは、自分のオリジナル曲は封印して、みなさんになじみのある歌を披露しました。それでも『楕円桜が聞きたい』とリクエストしてくださる方がいて、私にも励みになったのを覚えています。ラグビーの関係者だけでなく、いろんな方に響く歌なのかもしれないと、少し感じ始めました。今回のW杯前も福島で歌うことを予定しています」

――W杯、ジャパンにどんな期待を。

「前回の活躍で、ほかのチームはもう油断しないじゃないですか。それを跳ね返してくれると信じています。決勝トーナメントに駒を進めてもらえたらうれしいな」

「ジャパンらしさは、やっぱり粘り強いことですよね。あきらめず、とにかくついていく。そのガッツと気迫。メンタルの強さは、世界にひけをとらないと思います」

――観戦初心者にアドバイスを。

「私の場合は、NECにいたグレン・マーシュという選手が大好きになったことも、応援に夢中になった理由のひとつだったように思います。最初はルールがわからなくても、かっこいいと思える選手ができると見るのが楽しいかな。その私も今では、スクラムの重要さ、すばらしさが見えるようになってきました」

――楕円桜はラグビーの試合会場を含めて各地で歌われてきました。とくに思い出に残る場面はありますか。

「高校ジャパンが18年の遠征で、19歳以下のアイルランド代表を撃破したときに歌ってくれました。映像をみると、ピッチの上で円陣を組んで歌ってくれていて、すごく感動しました。勝って楕円桜を歌うことを目標にしてくれていたと聞きました。夢のようなシーンでした」

「イングランドやウェールズのように、勝ったときも、つらいときも、みんなで歌って応援する『文化』が生まれてくれたらと思っています。それが今の私の原動力です」

渡瀬あつ子
 1975年(昭和50年)4月、福島県南相馬市生まれ。98年武蔵野音大卒。大学在学中にバンドに参加し、ボーカルを担当。2005年にファーストシングル「ひだまり」、08年に「楕円桜」をリリースした。19年は3月29日に始まった全国高校ラグビー選抜大会の開会式や、7月20日に予定する「うえの夏まつりパレード」などで楕円桜を披露。ラグビー関連の曲は他に「プロップROCK」「スクラムの唄」など。

(聞き手 天野豊文 撮影 瀬口蔵弘)

「W杯だ!ラグビーを語ろう」はこちらです。

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