日経エンタテインメント!

宮川大輔と一緒にダンスを踊る出演者は「ダンスとどや顔が得意な方を選びました」(ペイペイの西川氏)という

PayPayがCM展開を始めたのは2018年12月から。それから3カ月でトップ10入りは異例のスピード。2年前に日本瓦斯が出川哲朗を起用して「ニチガス」のCM展開を始めた際、やはり3カ月でトップ10入りして以来という。CM総合研究所の関根心太郎代表は、ブランドの第一想起に目的を絞り込んだ戦略が効いたと分析する。

「昨年末くらいからキャッシュレス系のCMが増えています。スマホ決済が便利そうということはニュースなどで伝わっているので、あとはいかに消費者にブランド名を第一想起してもらうか。ペイペイという名前自体が覚えやすいので、連呼して名前をすりこむには歌が有効だし、ダンスを加えると子どもたちの間で流行する効果も見込めます。そこに絞り込んだCM戦略が成功しました」(関根氏)

宮川大輔の顔出し効果も

関根代表は、宮川のキャスティングや露出の仕方も好感度を得るのに効果があったとみている。「高視聴率バラエティー番組の『世界の果てまでイッテQ!』に出ていることもあって、タレントとしての好感度や知名度が高いですね。今回のCMが幅広い層から認知された要因でもあると思います。最初はかぶりもので登場するCMを2カ月流した後に、新CMでようやく本人が出たことでCM好感度が上昇しました」(関根氏)

PayPayの西川氏は、宮川を起用した理由について「情報をそのまま伝えると押し付けになってしまいそうなことも、宮川さんが伝えると軟らかくなったり、面白くなったり、わかりやすくなったりする表現方法の幅に魅力を感じています。今回の撮影でも、ひとつのコメントを複数のパターンで収録させていただきました」と言う。

複雑なストーリーが展開されがちな昨今のCM業界だが、PayPayのCMは逆に、歌とダンスとキャスティングによる「インパクト」と、連呼型の「わかりやすさ」の2点に絞ったことで目立ち、強い印象を残した好例といえそうだ。

(日経エンタテインメント! 小川仁志)

■調査対象期間:2019年1月20日~2月19日(東京キー5局)
■当月オンエアCM:全2467銘柄
■東京キー5局でオンエアされたすべてのCMを対象に、関東在住の男女モニター3000人に、好きなCM・印象に残ったCMをヒントなしに自己記述してもらい、その得票数を足し上げたもの
■同商品の複数作品にオンエア・好感反応がある場合、代表作品は最もCM好感度の高い作品
■企業・銘柄名・作品名はCM総合研究所の登録名称であり、正式名称と異なる場合がある
エンタメ!連載記事一覧