病気やケガで思わぬ医療費 高額療養費で損をしない

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高額療養費制度の申請に関連する書類(全国健康保険協会)
高額療養費制度の申請に関連する書類(全国健康保険協会)

「高額療養費制度」は、病気やケガで医療費の支払いが膨らんだときに負担を抑える公的な仕組みだ。内容を知っていれば、万一の際も安心して診察や治療を受けることができる。制度のポイントや注意点をまとめた。

制度利用には申請が必要

横浜市に住む契約社員のAさん(51)は昨年秋に甲状腺の摘出手術を受けた。バセドウ病に悩まされてきたが「手術すると医療費がいくらかかるか不安だった。友人から高額療養費の話を聞いて決心した」。2週間入院し、費用は13万6200円。後日、健康保険組合から5万円以上戻ってきた。「月の上旬に手術してもらい、下旬に退院できたのがよかった」と振り返る。

病院で診察や治療を受けると窓口で払うのは、かかった費用の1~3割。負担割合は少ないが、手術をしたり通院が長期にわたったりすると支払額はかさむ。そんなときに利用したいのが、健康保険など公的医療保険が備える高額療養費制度だ。1カ月の医療費が上限を超えると超過分を払い戻してくれる。原則、請求しないと戻ってこないので知っているのといないのでは自己負担は大きく異なる。

緊急でなければ月初に入院

まずは基本から。申請は月単位で、1カ月の間に医療機関や薬局の窓口で払った金額が対象になる。仮に2月15日から3月15日まで入院した場合など、2月分と3月分を合算することはできない。このため、「緊急でない手術や入院は病院と交渉して月の初めにしてもらうとよい」とファイナンシャルプランナーの畠中雅子氏は話す。

1カ月の上限額などは70歳を区切りに、それ以上と未満とで設定が異なる。所得が高ければ上限額は上がるので、高額療養費の支給額は少なくなる。例えば、年収700万円と1000万円の現役会社員が手術・入院で100万円の医療費がかかったとする。退院時に払う金額は2人とも3割の30万円だが、払戻額は前者が21万2570円で後者は12万8180円となる。

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