マネー研究所

カリスマの直言

地域密着の新モデル 京都信金支店の挑戦(渋沢健) コモンズ投信会長

2019/4/1

京都信金東桂支店は横並びの受付カウンターがなく、カフェのようなゆったりした雰囲気
「地域金融機関は金融機能だけでなく生活を楽しめる空間と時間を提供するように工夫するべきだ」

以前から気になっていたが、コンビニの中には銀行がある。けれども、銀行の中にはコンビニがない。

銀行もコンビニも地域の生活インフラであり、現金を取り扱う事業だ。顧客の利益を保護する体制や経営の健全性という本質を確保できれば、銀行の支店内にコンビニであろうが、カフェや保育所であろうが、地域が必要とするサービス拠点を設置することは可能のはずだ。

銀行法で兼業が規制されている現状が確かにある。ただ、時代に応じて法律は改正される。どちらかというと、銀行の慣習、あるいは、「前例がない」という諦めが支店の利用拡大の思考の壁になっているのではなかろうか。

■受付カウンター撤廃、カフェのようなくつろぎ空間

先日、注目すべき試みにチャレンジしている地域金融機関の現場視察の機会を得た。2019年2月にリニューアルオープンした京都信用金庫の東桂支店だ。外見は目立った特徴はないが、店内に足を一歩踏み入れると銀行支店で見慣れない空間が目の前に広がる。

まず、横並びの受付カウンターがない。座り心地が良さそうな椅子が、いくつかの丸いテーブルを囲んでいるカフェのような空間である。ゆったりと読書できるスペースも設けられていて、本のセレクションも豊富だ。従来、銀行の支店で待たされている間の手持ち無沙汰に用意されている雑誌類などのラックとは程遠い。

数名のベビーちゃんたちが一緒にゴロゴロできる大きなソファも準備されている。小倉美和支店長の女性ならではの気配りとやさしさを感じる店舗づくりだ。来店して銀行との取引や手続きを終えて、さっさと帰る必要もなく、ゆっくりと時間を過ごせる対話とコミュニティーの空間を用意している。

マネー研究所 新着記事

ALL CHANNEL