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企業型保育所、なぜ規制強化 設置企業に広がる不安

2019/4/2

損害保険ジャパン日本興亜が本社ビル内に開設した「SOMPO KIDS PARK」(東京・新宿)

子育て中の社員向けに会社が開設する企業主導型保育所。保育所不足を補うため国が2016年度に新設した制度です。16~17年度に2597施設の開園が認められ、約6万人分の保育の受け皿ができました。待機児童解消に一役買ったものの、国は規制強化に乗り出します。

同制度の一番の特徴は開設したい企業が国に直接申請し、建築費や運営費の補助を受けられることです。市区町村が関与する認可保育所と異なり、迅速に開設できます。ただ、企業は保育の専門家ではないので実際の施設運営は外部の保育事業者に委託します。ここがボトルネックとなりました。保育事業者といいながらも十分な経験、経営ノウハウを備えていない不適格な事業者も参入してきたのです。東京都世田谷区では18年に開園から1年を経ずに休園した施設もありました。

国の検討会は3月に報告書をまとめ、(1)運営事業者を「実績5年以上」に限定(2)相談窓口の開設など事業者支援を拡充(3)市区町村との連携を強化――などの規制強化を打ち出しました。国は報告書を基に新たな基準を検討中です。

保育施設は乳幼児が長時間過ごす重要な場所。保育の質の維持は最優先事項です。ただ規制強化はもろ刃の剣。企業主導型保育所は運営主体が勤務先であり利用者がその従業員であるという関係性の強さから、職場ニーズに合致する保育サービスを提供しやすい利点があります。過剰な規制強化は子育てと仕事の両立を損ないかねません。

損害保険ジャパン日本興亜は18年3月に東京本社ビル内に企業主導型保育所「SOMPO KIDS PARK」を開設しました。開園は朝7時半~夜8時半。通常利用に加えて、どうしても残業しなくてはいけない日だけ預ける一時保育も実施しています。始業・終業時間が一定でないシフト勤務者や、認可保育所だと優先順位が低いパート・短時間勤務社員も円滑に受け入れてもらえます。「認可保育所ではカバーできない保育サービスも企業主導型だからこそ準備できる」(人事部)

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