高いテーラーリングの技術を武器に、独自の哲学や思想に基づいた上質を表現する両ブランド。伝統的なスーツ専業ブランドとは一味違うその表現は、スーツ多様化の今の時代にこそ注目したい。
■TOM FORD/トム フォード
メリハリあるボディラインが男の肉体を官能的に見せる
細身のラペルを採用し、ドロップ7に絞り込まれた美しいウエストシェイプを備えるモデル「オコナー」。胸周りを大きく見せウエストを絞ることで、逆三角形の男性的なシルエットを強調している。パンツはベルトレスを採用。 54万円(トム フォード ジャパン)
1. 威風堂々としたボリュームバスト
2. 逆三角形のボディラインを生むシェイプ
3. マスキュリンで構築的な肩
4. 広く男性的なバックシルエット
男が上がる極上シルエット美
いつか着たい憧れの一着。トム フォードのスーツはそんな形容が良く似合う。そんな別格の印象を感じさせる理由は、着る男性を何より魅力的に見せてくれる、唯一無二のシルエット美によるだろう。
力強い肩周り、膨らみのあるバスト、広く見える背中、そして何よりぐっと絞り込まれたウエスト。高い仕立て技術が実現するそのグラマラスなボディラインは、男性の立体的で迫力ある身体を官能的に彩る。映画『007』シリーズにおいて、ダニエル・クレイグが着用するスーツに採用されたのも、男の色気を引き出すことに秀でていたからだろう。独自のシルエットが引き立てる男性的なかっこよさ、それこそトム フォードが追求する極上のあり方なのだ。