latelyは「遅くまで」ではない 日本人が間違える英語デイビッド・セイン「間違えやすい英語」(62)late

言葉の使い方を間違えて相手に誤解されてしまった。そんな体験はどなたにもあると思います。日本人向けの英語教育で豊富な経験を持つデイビッド・セインさんが、日本人が間違えやすい英語の使い方を解説します。今回は、形容詞と副詞の違いが紛らわしいlateという単語について見てみましょう。

◇  ◇  ◇

勉強するときはいつも完全を目指す。しかし会話をするときは通じることを目指す。これが英会話には必要なポイントです。相手を前にして英語を話すときは、完璧な英語でなくても構いません。間違いがあってもいいのです。フレンドリーに笑顔で話せば、不完全さは補われます。間違いを恐れず英語を話しましょう。そして勉強するときは完全を目指しましょう。

とあるオフィスでの出来事です。寝不足のように見えるヒロシを心配して、ナンシーが声をかけてくれました。ヒロシは大きなプロジェクトをかかえ、連日、夜遅くまで仕事をしていたのです。そこで、「ぼくは遅くまで働いていて、疲れている」と英語で答えたつもりでしたが、なぜかナンシーはちょっと不快そう。そのあとの会話もおかしな流れになってしまいました。いったい何がいけなかったのでしょうか?

それは、こんな会話でした。

Nancy: You look sleepy. Are you okay?
Hiroshi: I'm tired. I've been working lately.
Nancy: Lately? Everyone's been working hard.
Hiroshi: But you always go home at 6:00.
Nancy: What?!

日本語に訳すと次のようになります。

ナンシー:眠たそうね。大丈夫?
ヒロシ:疲れているんだ。最近は働いているからね。
ナンシー:最近は? みんなだって頑張って働いているわ。
ヒロシ:でも、君はいつも6時に帰ってるよ。
ナンシー:何ですって!?

英語の形容詞には、-lyが付くことで副詞になるものが数多くあります。たとえば、beautiful(美しい)やquiet(静かな)という形容詞は、-lyを付けると、それぞれbeautifully(美しく)、quietly(静かに)という副詞にすることができます。そこで、同じように形容詞のlate(遅い)に-lyを付ければ、「遅く」という意味の副詞を作れるだろうとヒロシは類推して、I've been working lately.と言ったのでした。

ところが、ややこしいことに、latelyという単語は「遅く」ではなく、「最近(=recently)」という意味を持つ副詞なのです。これは、形容詞のlateには「遅い」のほかにも「最近の(=recent)」という意味があって、-lyの付いた副詞にするときは後者の意味のみを引き継ぐからです。そのためヒロシの発言は、「(以前は働いていなかったけど)最近は働いている」の意味になってしまったのですが、本人は「遅くまで働いている」と言っているつもりだったので、会話に行き違いが生じたのです。

では、どう言えばよかったのでしょうか?

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