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修学旅行は各界OB訪問 宇都宮高、伝統の結束力 栃木県立宇都宮高校の村山二郎校長に聞く

2019/3/31

栃木県立宇都宮高校の村山二郎校長

栃木県有数の名門男子校である県立宇都宮高校は2019年、創立140周年を迎えた。草創期の校長が唱えた「滝の原主義(滝の原は所在地名)」の流れをくむ質実剛健な校風は今も健在だ。長い伝統で培われた独自の学習方針は高い進学実績に結び付き、OBのネットワークもキャリア教育に一役買っている。村山二郎校長は「様々な分野のリーダーとなる骨太な人材を送り出したい」と語る。

■与野党の重鎮も訪問して質疑応答

「官房機密費って何に使われているのですか」

18年11月、東京・永田町の国会議事堂近くの会議室で、宇都宮高校2年の生徒たちが2人の国会議員に質問を投げ掛けていた。相手は自民党の船田元氏と立憲民主党の枝野幸男氏。いずれも党の重鎮で、同校OBでもある。「政治家という仕事のやりがいや苦労は」「高校のうちにやっておくべきことは」。後輩たちの熱心な質問に、一つ一つ丁寧に答えていたという。

同校では修学旅行のことを研修旅行と呼び、3泊4日の行程のうち、1日目は首都圏で働くOBをグループに分かれて訪ねる。国会のほか、財務省や東京地裁、日立製作所や野村証券、東京大学や理化学研究所など、20カ所以上のOBがわざわざ時間をさいて会ってくれる。仲介するOBも含めると関係者は50人以上。「ありがたいと同時に、誇りに思う」と村山氏は語る。

研修旅行の2日目以降は沖縄各地を回る。関西や広島を巡る高校が多い中で異例だが、これもOBが関係している。太平洋戦争末期、内務省から沖縄県警察部長として赴任した荒井退造氏。県知事だった島田叡氏とともに県民の避難や保護に尽力し、「島守」と呼ばれる。生徒たちは生前の荒井氏を知る人たちから話を聞き、激戦の跡を見学。村山氏は「平和学習の一環だが、同じ学校の先輩として生徒たちの心にはより強く印象づけられるようだ」と指摘する。

同校は校訓にあたる「生徒指標」として「和敬信愛、質実剛健、自律自治、進取究明」の4つを掲げる。その源流は草創期の校長である笹川臨風氏が、生徒のあるべき姿として提唱した「滝の原主義」にある。浮ついた世の中に流されず、どっしり構えた剛毅(ごうき)な人であれ、といった内容だ。

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