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「だまされる人」は何度も被害に 投資詐欺の最新手口 弁護士 志賀剛一

2019/3/28

「ポンジ」というのは第1次世界大戦後に現れた詐欺師の名前だそうですから、このような詐欺の歴史がいかに古いかわかりますね。投資の運用実体がないわけですから、最終的には配当金が枯渇し、必ず破綻することは火を見るよりも明らかです。

「KING」の件では月利3%が約束されていたとのことです。月利3%といえば年利36%になります。時価総額日本一の企業であるトヨタ自動車の配当利回りは年利でおおむね3%ですから、かなり高額な利息の約束です。

ただ、年利36%というのは絶対にありえない利回りではありません。そこがワナだと思います。一昔前に年利300%や500%を保証する詐欺話(つまり元本が3倍、5倍になる)が横行していたことに比べると、より「現実性」を持たせただましの手口といえます。

■投資詐欺、出資法違反がほとんど

これら投資詐欺は法律上ももちろん違法です。まず、「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律(出資法)」に違反していることがほとんどです。

出資法では不特定かつ多数の者に対し、出資の払い戻しとして、元本を保証して資金の受け入れをすることや、正規に認可を受けた金融機関以外が不特定かつ多数の者から預金・貯金・定期積金の受け入れをすることを禁止しています。

あなたの投資した事業は元本が保証されているそうですが、冷静に考えてみてください。元本の「保証」は誰がしてくれるのでしょうか。その主体が倒産してしまったら結局、元本など返ってくるはずがないのです。

銀行が破綻した場合ですら、利息のつく普通預金・定期預金などの1000万円までしか保証されません。そして、銀行の場合に1000万円まで預金が保護されるのは、銀行が保険をかけ、預金保険機構という別の組織が保証しているからなのです。

■登録業者が詐欺を働く例も

また、本来、金融商品の販売は証券会社など内閣総理大臣に申請、登録を受けた業者でなければ行えません。投資詐欺のケースのほとんどは無登録業者が主体になっています。「ほとんど」と書いたのは、登録業者であっても詐欺を働く例があるからです。

例えば、アメリカの医療機関が保険会社に診療報酬を請求する権利(診療報酬請求債権)を買い取って回収する「MARS投資」を運営し、その後破綻した米国法人は金融商品取引業者の登録を受けていました。

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