E.G.family本格始動 6組の個性あふれ、結束感強く
E‐girls、Dream Ami、Dream Shizuka、Happiness、Flower、スダンナユズユリー。芸能プロダクションLDHに所属する6組の女性アーティストからなるプロジェクト「E.G.family」が、2月から5月にかけて初のホールツアー「E.G.POWER 2019~POWER to the DOME~」を開催している。2017年7月に発足したE.G.familyだが、プロジェクトとしての活動はこのツアーが初となる。それぞれのグループの代表にプロジェクトへの意気込みを聞いた。
Dream Ami もともとE‐girlsは、Dream、Happiness、Flowerの各グループのメンバー全員が参加するプロジェクトで、E‐girlsを通して、その先にある各グループを知ってもらいたいという狙いがあったんです。そして17年7月に、E‐girlsが全グループ参加のプロジェクトから1つのグループに形を変え、私のようにソロになったり、グループ活動に専念するメンバーも出てきました。E.G.familyは、そんな6組の総称です。その結果、各グループやアーティストの特徴やキャラクターが分かってもらいやすくなるのではないかなと思います。
Dream Shizuka ファンの皆さんに、E.G.familyでの活動を見せる機会がなかったので、こうしてツアーを開催できることは本当にうれしいです。E.G.familyだからこそ見せられるステージはなんだろうって常に考えています。
以前よりも各アーティストの個性を出していくというE.G.family。ではその個性とはいったいどのようなものなのか。ツアーに先駆けて5週連続で配信リリースした楽曲は、まさに各アーティストの個性を反映する内容となっている。まずは、以前の19人から11人の新体制となって初のアリーナツアーを18年開催したE‐girlsに、変化について聞いた。
佐藤晴美 以前のE‐girlsは受動的なところもあったんです。ただ、今は自分たちの意見をちゃんとスタッフさんたちに伝えて物事を決めていくなど、自主的な姿勢で臨むようになり、1つのグループとしての結束が強まったと思います。
須田アンナ 昨年のアリーナツアーが大きかったよね。それまでは11人らしさを見いだそうとして行き詰まってしまって…。それじゃダメだと、ツアー前にメンバー全員で食事会を開催して思っていることを1人ずつ話したんです。
鷲尾伶菜 7年間、E‐girlsとして一緒に活動してきたけど、本音をみんなの前でしゃべることは勇気が必要だった。最後はみんな泣いていたよね。「今、一致団結しないと、この先がないかもしれない」という危機感まであったし。
佐藤 その時に、「私たちのパフォーマンスを楽しみにしてくれるファンのことを第一に考えよう」って切り替えたんです。いろんなことを経て今考えるのは、やっぱりE‐girlsは、E.G.familyの先陣を切っていく存在でありたいということ。だから配信シングル『EG‐ENERGY』は、これまで以上にパワーのある楽曲を選びました。
須田 歌もダンスもこれまでやってきた限界を上回ったというか、パフォーマンスがこれまでの中で一番ハードだとみんな言っています(笑)。
女子が憧れるような存在に
17年発売のシングルが共にオリコンチャートで初の1位を獲得しながらも、その後思うように活動ができていなかったFlowerとHappiness。彼女たちも並々ならぬ意気込みを抱えている。
佐藤 Flowerは、日本でもあまりいないバラードで踊るグループ。ジャズダンスやコンテンポラリーダンスで、シアターのようなエモーショナルなステージを心掛けてきました。
鷲尾 ただ17年末に5人体制になってからは準備が整わずに活動できていなくて。久しぶりの新曲『紅のドレス』はバラードを選びました。E.G.familyとして見てもらうときにも、違う色を出すことができるので、今までの世界観を貫いたほうがいいと考えたんです。今回は花魁がテーマなので、歌詞やメロディーにも和のテイストを取り入れています。
MIYUU 私たちHappinessは激しいダンスに、歌とラップの掛け合いがあったりと、幅広いジャンルの楽曲で勝負できるのが強み。パフォーマンスの振り付けは私が担当していたりと、自己プロデュースにも積極的に取り組んでいます。
須田 踊りもキャッチーというよりはガツガツ感を意識していたり。衣装を含め、女の子が憧れるような存在を目指しているよね。
MIYUU 新曲はもともと違う曲を予定していましたが、私たちのテーマである「ツンデレ」感がより強くアピールできる『POWER GIRLS』になりました。かわいくありながらSっ気もある女性像がうまく出てると思います。
須田 私は、同じくE‐girlsのYURINO、武部柚那の3人でスダンナユズユリーというユニットを組んでいるんですけど、E.G.familyの中でも一番ヒップホップ色が強いのが特徴ですね。2人がラップして、1人が歌うというスタイルで、リリックもほぼ全曲3人で書いてて。衣装に私服を使ったりと、自分たちのライフスタイルがそのままグループに出ています。新曲『LOOK AT ME NOW』では、ヒップホップ界の最新サウンドである、トラップ(※)にも挑戦しました。
(※)遅めのビートに、派手な電子音と激しいスネアの連打が入るのが特徴。
E‐girlsのメインボーカルを務め、グループの顔とも言える存在だったDream Amiは、ソロ活動に専念してからも、彼女の明るくてかわいいキャラクターを楽曲やライブで表現し続けている。またDream Shizukaは、EXILE USAとEXILE TETSUYAとDANCE EARTH PARTYを組んでいたが、ソロ活動に専念することを決めた。
Ami 私はソロでもグループでも差を意識したことはなくて。常に自分が表現したいものをありのまま伝えたいと考えています。新曲『Good Goodbye』は、映画『えいがのおそ松さん』(3月15日公開)の主題歌。時期的に卒業ソングにもなっていますが、曲調はポップな感じで明るく聴いてもらえる1曲になっています。
Shizuka 私は2月にソロデビューをさせてもらいましたが、不安な気持ちは正直あります。ですが、今回のツアーでE.G.familyのみんなに力を貸してもらいながら、全国の皆さんにDream Shizukaを知っていただけるステージにしようとしています。
新たなスタートでは自分の歌をしっかり届けたいという思いが強かったので、デビュー曲にバラードの『かなしみから始まる物語』を選びました。歌詞では、「悩みや葛藤もある不器用な自分だけど、大切な人がいるからまた前を向いて歩いていける」という、今伝えたい気持ちを作詞家の小竹(正人)さんにお話しして書いていただきました。
ホールツアー名に入る"ドーム"
今回のツアーは全国26都市を回るホールツアー。しかしタイトルには「E.G.POWER 2019 ~POWER to the DOME~」と、「DOME」という言葉が入り、今後の展開も期待させる。
佐藤 ホールツアーでは、今までに行ったことのない地域にも行けるので、全国の皆さんにE.G.familyという言葉を知ってもらいたいですね。
Shizuka 見に来てくださった方には「楽しかった」と思い出で終わるのではなく、「また見たい」と、これからE.G.familyを応援してもらえるきっかけとなるステージを作りたいと思っています。
鷲尾 各グループの曲を聴いたときに、それぞれの個性があふれていて驚いたんです。新体制になったからこそ、より個性が強く出たのかなと。今回のツアーは、見ていて飽きないステージになっていると思います。
MIYUU ツアータイトルに「ドーム」という言葉が入っているので皆さんにいろいろと期待させてしまうかもしれません。ただ、場所というより大きな夢に向かって歩んでいっていると、解釈してもらえるとうれしいです。
須田 私は3グループに属していてそれぞれ立ち位置も違うんですが、やっぱりE‐girlsではドームに立ちたい。あとHappinessではアリーナに立ちたいし、スダンナユズユリーではクラブツアーをやりたいです!
Ami この先には一体何が待っているんですかね(笑)。E.G.familyとしてツアーをすることで、パワーがギュッと大きくなると思うので、それで勢いを付けて、それぞれの活動にも生かしていければいいなと思います。
(ライター 中桐基善)
[日経エンタテインメント! 2019年3月号の記事を再構成]
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