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「営業は長時間労働」女性が変える 現場発で提案競う

2019/3/26

新世代エイジョカレッジでMRの新たな営業スタイルを提案した中外製薬の社員ら

長時間労働が残る日本の企業社会の中でも、営業職はとりわけ顧客優先を求められ、男性の比率が高い。妊娠・出産などのライフイベントを経て女性が働き続けるにはハードルがある。「私たちが働き方を変える」と現場の女性自らアイデアを競い始めた。

■医薬品の営業、医師にチーム対応

「1人のMR(医薬情報担当者)が1人の顧客をフォローするという状況を崩します」。2月、おそろいの青いスカーフと黒いスーツに身を包んだ中外製薬の営業女性チームのプレゼンテーションが始まると、会場は熱気に包まれた。長時間労働を見直し、グループで顧客の医師のかゆいところに手が届く情報を届ける営業スタイルの提案だ。

「自社製品の営業だけしているMRは不要。私たちの『おしながき』システムは、どんな人間からどんな情報を聞き出したいのか、医師に選択肢を示します」。社内には薬の開発・安全情報など高い専門性を持つ人材がそろう。メンバーの顔写真や名前、専門分野を記した「おしながき」を、顧客の医師らに提示。「社交派・友好派」「理論派・現実派」と相手のタイプに応じ、MR以外の社員も訪問できるようにして顧客対応力を高めるアイデアだ。

これは「新世代エイジョ(営業女性)カレッジ サミット2018」の一コマだ。営業職の女性チームが働く環境の改革へアイデアを出し、自社で実験。審査を勝ち抜いたチームが発表し、中外製薬が大賞を受賞した。

■シニア・子育て中の女性社員が「コンシェルジュ」

一方、審査員特別賞を取った富士通マーケティング(東京・港)の提言「コンシェルジュ」制度は会社を動かし、19年度中には全国に広げる計画だ。営業経験の豊富なシニアや子育て中の女性社員らがコンシェルジュとなり、営業部門で働く本人に代わって書類作成や各所への申請、問い合わせ対応を支援する。

コンシェルジュ(左)と話す富士通マーケティングの三浦恵里奈さん(東京都港区)

同社の営業は取り扱う商材が多く、「ランケーブル1本でも顧客の元に駆けつける」。公共営業本部の三浦恵里奈さん(28)は「社内調整に頭を悩ませる時間が多く、負荷の軽減が必要だった」と話す。そこで営業がこなしている仕事を顧客対応、書類作成など細かく「棚卸し」。営業本人の対応が必須かどうかで分け、コンシェルジュが分業するアイデアを生み出した。

営業担当に余裕をもたらすと同時に、知識や経験を持ちながら子育てなどで働く時間の制限がある人に、営業の第一線の仕事に参加・貢献しているというやる気を育てる。取締役兼執行役員常務の渡辺基さんは「会社が検討している営業の業務効率化、多様な人材の活躍の施策を強化する仕組みとして組み込んだ」と評価する。

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