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米19年利上げ見送り 景気と株価を読む(平山賢一) 東京海上アセットマネジメント執行役員運用本部長

2019/4/2

世界の人口増加率と経済成長率について示した図を確認してみましょう。インフレで底上げされている名目経済成長率で見ると、世界の経済成長率のピークは73年になります。名目経済成長率は実に22%という高水準であり、戦後では断トツです。

ところが、実質経済成長は、わずかながら64年の成長率(6.6%)を下回っているのです。これは、インフレ率が15%弱という高水準を記録していることで、実質経済成長率は名目の成長ほど高くなかったことを意味しています。

■実質経済成長率は64年をピークに緩やかに低下

70年代は、71年のニクソン・ショック(ニクソン米大統領がドルと金の固定比率での交換停止を突如発表した出来事)の影響で、物価が急上昇しインフレ率も上昇したため、名目経済成長率が実質経済成長率を大幅に上回り、両者の格差が拡大したわけです。また、2000年代には新興国経済の成長を背景に、エネルギー価格や資源価格も上昇し、インフレ率が上がったため、再び名目経済成長率と実質経済成長率の格差が広がりました。

興味深い点は、00年代に中国などがけん引して、世界経済が成長しているように見えるものの、名目経済成長率は1970年代、実質経済成長率は1960年代の方が高かったという点です。実質経済成長率は64年をピークとして、その後、半世紀を通して緩やかに低下基調で推移しています。

2008年のグローバル金融危機には、名目経済成長率も実質経済成長率もとともにマイナスに落ち込み、その後実質経済成長率は2~3%程度で推移していますが、1960年代よりも低い水準で安定化しているといっていいでしょう。また、名目経済成長率も2000年代の水準よりも低位での推移となっており、私たちの実感する世界の経済成長も冷え込んでいるといえそうです。

■人口増加率と経済成長率は超長期で連動

過去2000年程度の人口増加率と実質経済成長率の関係を調査した、英経済史家アンガス・マディソン氏による経済協力開発機構(OECD)のデータを確認すると、超長期ではこの両者は連動していることが分かります。人口の増加率に応じて、経済の成長率も変化するというのは、私たちの直感に沿ったものであり、当然といえば当然といえるでしょう。

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