米19年利上げ見送り 景気と株価を読む(平山賢一)東京海上アセットマネジメント執行役員運用本部長

人口増加率は第2次世界大戦以降も上昇し、過去約2000年間のピーク(2.1%)を1969年に迎えます。その後は緩やかに低下し、現在は1.1%台まで低下しているのです。国連の中位推計では、2050年には0.5%台まで低下するとされており、この見通しに沿うならば、経済成長率も緩やかに低下していく可能性を否定できません。

世界の人口増加率と実質経済成長率のピークはともに1960年代であり、その後インフレ率の上昇により名目経済成長率が大幅に上昇する局面はあったものの、実質経済成長率は低下基調で推移しています。今後も、人口増加率が低下基調で推移するならば、第2次世界大戦後に世界が経験した高成長が発生することは、あまり期待できそうにありません。

政策対応により株価が上昇する局面も

とはいえ、このような時代にあっても、政策対応により株価が上昇している局面もあることから、ネガティブな思い込みを強めることは避けたいところです。低成長時代が到来する中、FRBをはじめ世界の中央銀行の金融緩和政策が長期化する傾向があるのも偶然の産物ではありません。

最近の情勢に照らせば、景気減速懸念の背景には米中の貿易戦争など国際関係の悪化があります。株価は当面は金融政策と景気との綱引きになりそうですが、いかにして国際的な政策協調をしていくかがカギになりそうです。

プロのポートフォリオは運用に精通したプロが独自の視点で個人投資家に語りかけるコラムで、原則火曜日掲載です。
平山賢一
東京海上アセットマネジメント執行役員運用本部長。1966年生まれ。横浜市立大学商学部卒業、埼玉大学大学院人文社会科学研究科博士後期課程修了、博士(経済学)。東洋大学経済学部非常勤講師。30年にわたり内外株式や債券をアセットマネジメント会社で運用する。著書に「戦前・戦時期の金融市場」「振り子の金融史観」などがある。
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