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航空券代に上乗せ 燃油サーチャージの決まり方は? 2カ月ごとに見直し、購入時期で適用

2019/3/30

燃油サーチャージが基準にするのは石油精製品の一種で、航空機燃料となるケロシンの価格(成田空港)

国際便の航空チケット代に上乗せされる「燃油サーチャージ」と呼ばれる費用が4月に大幅に減額されます。燃料コストが安くなったためで、海外旅行を計画する人には朗報です。燃油サーチャージを航空会社は2カ月ごとに見直しており、旅費に大きく影響します。どのように決まるのか見ていきます。

燃油サーチャージは燃油特別付加運賃ともいいます。

日本航空(JAL)のハワイ便を例示すると、3月中に購入する場合の金額は片道1万1000円です。これに対して4~5月に購入した場合は4000円。往復では1万4000円もの減額となり、4人家族なら旅費が5万6000円減る計算です。

燃油サーチャージは通常2カ月ごとに航空会社が見直します。基準にするのは石油精製品の一種で、航空機燃料となるケロシンの価格です。シンガポール市場で取引された価格の2カ月間の平均値をベースとし、日本発着便については同期間の為替レートの平均を反映して算出します。

JALの場合、金額は10階層で決めています。2~3月には上から5段階目(ゾーンE)だったものを4~5月に大幅に引き下げ8段階目(B)としました。全日本空輸(ANA)も、金額は多少異なるものの同様の階層を設けています。

ケロシン価格の平均が1バレルあたり6000円を下回ると燃油サーチャージは適用されません。もし最高階層に引き上げられた場合、日本からハワイへ行く便はJALなら片道2万500円、ANAなら2万1000円となります。

過去5年の推移(図、JALハワイ便)を見ると、14年には1万6000円(ゾーンG)に達しましたが、その後下落しました。16年4月~17年1月は最下層の「適用なし」となり、燃油サーチャージはゼロでした。

燃油サーチャージが適用されるのは航空券を購入するタイミングが対象となります。大手の場合、昨年12月~今年1月のケロシン価格・為替レートを基に決めた燃油サーチャージを今年4月、5月の購入分に適用します。

8月の夏休み旅行の航空券を、3月に買うのと4月になってから買うのでは、同じ便であっても金額は異なることがあります。購入後に燃油サーチャージの改定があっても、増額を理由の追加徴収や減額での払い戻しなどはされません。

航空会社によって差がある場合もあります。同じ便を利用する場合でも、複数の航空会社で共同運航するコードシェア便の場合、どの会社で発券するかで金額が違います。

旅行会社で予約した場合はどうでしょうか。旅行会社は航空会社の代わりに顧客から燃油サーチャージを受け取って航空会社に払っています。

JTBではツアーなど旅行商品の契約時点で金額が決まります。契約後に航空会社が燃油サーチャージの増減額を決めても、支払額は変わりません。一方、エイチ・アイ・エスでは契約後に変更があった場合に追加徴収する可能性もあるとしています。旅行計画を立てる際は燃油サーチャージの取り決めについても旅行会社に確認しましょう。

[日本経済新聞朝刊2019年3月23日付]

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