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半年のウォーキングで、中高年の「段取り能力」が改善

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NIKKEI STYLE

日経Gooday(グッデイ)

普段運動をあまりしておらず、認知機能がやや低下した人が、45分程度の有酸素運動を週3回、半年間継続すると認知機能の一部が改善することが、米国で行われた無作為化試験[注1]で明らかになりました。

半年間の有酸素運動で「段取り能力」が向上

今回改善が認められたのは、認知機能の中の「実行機能」と呼ばれるもので、目標を達成するために段取りよく行動する能力を指します。具体的には、目標を設定する、最適な計画を立てる、作業を行いながら必要に応じて修正する、到達度を推定し作業を効率化する、といった一連の行為を行う能力です。

試験に参加したのは、(1)普段座っている時間が長く、(2)認知症と診断されるほどではないものの、軽度の認知機能の低下があり、(3)高血圧、高血糖、血中脂質量(コレステロールや中性脂肪)の異常が1つ以上認められる、55歳以上の160人(平均年齢65.4歳)です。高血圧、高血糖、脂質異常は、認知症の発症、認知機能の低下、心筋梗塞・脳卒中などの心血管疾患に共通する危険因子として知られており、今回参加した人たちは、「将来、認知症や心血管疾患にかかるリスクの高い人」ということになります。

これらの人たちを、「有酸素運動+DASH食の指導」(40人)、「有酸素運動のみ」(41人)、「DASH食の指導のみ」(41人)、または「健康に関する教育のみ」(対照群、38人)のいずれかに割り付けて、6カ月間実践するよう指示しました。

DASH食とは、高血圧予防のための食事法として米国で広く実践されている食事法で、カリウム、カルシウム、マグネシウムや食物繊維が豊富な野菜や果物、ナッツ、低脂肪の乳製品などを積極的にとるというものです(「高血圧防ぐ『DASH食』 野菜や果物、ナッツ多めに」を参照ください)。

有酸素運動はウォーキングかサイクリングマシンを週3回

有酸素運動を行うグループには、当初3カ月間は、週3回、運動強度が最大心拍数の70~85%になるレベルの運動を行うよう指導しました。1回の運動は、ウォームアップ10分、35分間の連続ウォーキングまたはサイクリングマシン漕ぎとし、運動の様子を監視しました。その後の3カ月間は、自宅で同様の運動を行うよう指示しました。

[注1]無作為化試験:参加者を条件の異なる複数のグループにランダムに割り付けて、その後の経過を比較する臨床試験のこと。無作為化比較試験、ランダム化比較試験ともいう。

DASH食の指導を受けるグループは、当初3カ月間は週1回30分間、それ以降は隔週で30分ずつ、専門家からの教育、指導、カウンセリングなどを受けました。

対照群には、当初3カ月間は週1回、それ以降は隔週で電話して、心血管系の健康に関連する教育を30分間行いました。6カ月間は、通常どおりの食事と運動を続けるよう指示しました。

その結果、有酸素運動を行ったグループでは、DASH食の実施の有無にかかわらず、運動負荷試験の成績が向上し、6分間に歩行できる距離も延びるなど、身体機能が向上していました。歩数計を装着して測定した1日の歩数にも増加が見られました。

また、6カ月後の心血管疾患(心筋梗塞、脳卒中など)のリスクは、対照群に比べ、有酸素運動群とDASH食群の両方で低下していました。

実行機能は、有酸素運動を行ったグループでは向上していましたが、DASH食を行ったグループには変化は見られませんでした。ただし、有酸素運動のみのグループに比べ、有酸素運動とともにDASH食も実施したグループのほうが、実行機能の改善は大きくなっていました。どのグループにも、記憶や言語流暢性の改善は見られませんでした。

以上より、普段から座ってばかりで、心血管疾患の危険因子を持ち、認知機能が低下している55歳以上の成人が有酸素運動を行うと、認知機能のうちの実行機能が改善することが分かりました。

論文は、Neurology誌2019年1月15日号に掲載されています[注2]

[注2]Blumenthal JA, et al. Neurology. 2019 Jan 15;92(3):e212-e223.

【参考】実行機能の評価に用いられた指標

Trail Making Test(TMT): 1から25までの数字が不規則に配置されている紙をもらい、できるだけ早く正確に、数字を1から順に線で結ぶ。

Stroop Test:色の名前を、さまざまな色で書いたものを見て、書かれた文字を読む、またはその文字が書かれている色を答える。

Wechsler成人知能検査の数唱(順唱と逆唱):試験官がたとえば「1、5、9」と言ったら、順唱なら「159」、逆唱なら「951」と答える。数字の桁数を増やして何桁まで正確に解答できるかを調べる。

Animal Namingテスト:動物の名前をできるだけ多く言う。

Ruff 2 & 7検査:視覚的注意と選択的注意の能力を評価する。
大西淳子
医学ジャーナリスト。筑波大学(第二学群・生物学類・医生物学専攻)卒、同大学大学院博士課程(生物科学研究科・生物物理化学専攻)修了。理学博士。公益財団法人エイズ予防財団のリサーチ・レジデントを経てフリーライター、現在に至る。研究者や医療従事者向けの専門的な記事から、科学や健康に関する一般向けの読み物まで、幅広く執筆。

[日経Gooday2019年3月20日付記事を再構成]

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