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広さよりカッコ レクサスUX、女性チーフの割り切り

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NIKKEI STYLE

ひさびさに登場した「オールニュー」の新型レクサス「UX」。開発は女性チーフエンジニアが担当したというブランド初のコンパクトクロスオーバーに乗ってみると、あまりの割り切りのよさに驚いた。試乗後に小沢コージ氏がうわさの開発者である女性チーフエンジニアに話を聞いた。

驚くほどの選択と集中

小沢コージ(以下、小沢) 先ほどUXに乗ってみて驚きました。車高が高いとか、走りがかったるいといったクロスオーバーっぽい部分が全然ない。それからデザインの凝縮された「かたまり」感がすごい。まとまりの良さや破綻の無さは兄貴分の「レクサスNX」より上かと。

加古慈(以下、加古) ありがとうございます。そもそも1520mm(日本仕様は1540mm)という低い車高でクロスオーバーを造るのは大変だったんです。私は女性にしては珍しくMT車のしかもクーペ好きで、運転そのものも大好き。なので見た目はクロスオーバーでも、走りはハッチバックやクーペに絶対負けないという思いでやりました。

パッケージはクロスオーバーとしては低めですしヒップポイント(座面の高さ)も低め。見た目と実際に運転した時のギャップも楽しんでほしかったんです。

小沢 開発テーマは何ですか?

加古 都会向けのCUX、クリエーティブ・アーバン・クロスオーバーって言うくらいだから、寸法上はレクサスで一番コンパクトだけど乗ったらとにかく開放感に浸れるよう、視界の良さや自然とのつながりを大切にしたかった。

さらに男性はシートを下げて座るので、大抵のドライビング・ポジションで問題ないのですが、私のような低い身長の場合、操作系が近すぎたり、アームレストにヒジが載らないことがあって。誰でも気持ち良く座れて運転をピュアに楽しめるようにしたいと考えました。それこそ人間工学やデザインの専門家が一緒になって、「どうやったら加古さんのワガママを聞けるか」と考えてくれました(笑)。

小沢 その一方リアやトランクは狭めかと。

加古 トランク容量は決して大きくはないです。開口部ももっと広げないとゴルフバッグが1つも積めません。ただ、広げるとリアがワゴンのようにスクエアになってしまい、このクルマならではの凝縮感やカッコよさがなくなってしまう。「加古さん、ゴルフバッグとエクステリア(外装)、どっち取るんですか」と言われ、「カッコだよねこのクルマは!」と(笑)。

小沢 女性らしくズバッと割り切った?

加古 これ以上に人や荷物を載せたいのであれば、NXや「レクサスRX」がありますし、ラインアップそれぞれに役割があると思うんです。NXでできないことをUXはやるべきだし、割り切ることにより個性が際立つんじゃないかと。

小沢 メルセデスもそうですが、今やエントリーモデルがブランドイメージの切り込み隊長ですから。あえて印象を濃くしたんですね。

女性チーフとしてのプレッシャー

小沢 ところで、女性チーフエンジニアってことで苦労されたんじゃないですか。日本のクルマ作りの現場は何だかんだ男性社会ですし。

加古 女性であることよりも、もともと内装の素材などを研究する材料系のエンジニアだったので、そちらのほうがよっぽどハードルは高かったです。材料出身でチーフエンジニアになった人は男性でもいないですし、想像すらできませんでした。女性という意味では男性がどう思っていたか分かりませんが、みなさん割と協力的ですごく助けていただいたと思います。

小沢 変なプライドは持たなかった?

加古 ないです、ないです。トヨタにはボディー設計ならボディー設計、電子技術なら電子技術とそれぞれリーダーがいるので、困った時には相談して案を出してもらい、私なりに納得できれば提案通りにするし、納得できなければ「もっとこういうことできないか」とお願いする。

小沢 取捨選択したんですね。

加古 チーフエンジニアではありませんが、しいてあげればインテリア(内装)のトータルコーディネーターになりたいと思っていました。そんな担当はトヨタにないですが、インテリアに関しては材料もプロセスも分かっていたので。

小沢 チーフエンジニアはいくつか役割があって一つは調整役でありバランサー。もう一つはモチベーター(やる気因子)だったり、ビジョナリー(事業の展望を見通す役割)。そういう意味でご自分はどちら?

加古 モチベーターかな。だって私さえ説得できればみんな自分のやりたいことがやれるんだもん(笑)。

小沢 僕からみるとこれはレクサスの一つのチャレンジなのかと。男性チーフエンジニアもいいんですが、たまに思い込みが強すぎる人がいて部下を萎縮させたりする。そこは女性だと少し違うような。イソップ童話に北風と太陽ってあるじゃないですか。人を動かす手法の比喩として。加古さんは太陽タイプでは。

加古 まあ、頑固を突き通すほど自分に自信があるわけじゃないので、これだけは大事にしたいんだからどう? という感じで(笑)。

最高を集めても最高にはならない

小沢 ところで高級とはなにか、ラグジュアリーとは何かは見えてきましたか。

加古 私、欧州駐在中にラグジュアリーとは何かを何人かに聞いてみたんです。するとある人は、「自分に経験や知識があることだ」と。自分に経験や知識があるからそのカシミヤが上等だと分かるし、それ自体がラグジュアリーだと。またある人は時間や手間をかけて作った料理を気の置けない友人や家族と時間をかけて楽しむことこそラグジュアリーだと。私なんかはバブルのころに入社したので、ラグジュアリーといえば高級ホテル、高級レストラン、高級時計みたいな思い込みがね(笑)。

小沢 分かります。僕と一緒なので。

加古 もちろんそこからちょっと引いて見てるところもありましたが、彼らからそう聞いて、やはりそうかと。そういう内面の満足であったり、時間を使える自由度なんだとね。

小沢 そこは難しいですよね。日本人はまだブランドに少しこだわってる気がするし。

加古 私がフラッグシップのLSの試作車を造るときに知り合った仏人女性デザイナーがいて、今はブリュッセルで働いてくれているんですが、その人がラグジュアリーとは仏語で「アール・ド・ビーブル」、つまり「アート・オブ・ライフ」、生活の質を高める豊かさのある暮らしだという言い方をして、なるほどと。今まで聞いたことと非常にリンクしていて、そういう世界をクルマで表現したらどういうことなのかを今回は考えました。

小沢 かつての日本車ってどちらかというと最高のマテリアル(材料)を集めたら最高のクルマになるという考え方じゃないですか。雑誌を見ても一流ブランドを集めればいい生活、みたいな思い込みがあった。でも、そうじゃないですよね。UXもすごい選択と集中をしていますし。

加古 やはり全体の調和が大事だし、余白の美みたいな空間も必要だし、コントラストも大切だと思います。

小沢 全体として何を伝えたいのか? カッコ良さか走りの良さか、何なんだと。

加古 私が初めてラグジュアリーブランドを買った経験から言うと、そのクルマを買ったときに自分がどう変わるのかが大切ですよね。今まで着たことなかった服、例えば革ジャンとか革パンツでそのクルマに乗ってみようとか、ここに乗り付けたいと思うようなワクワク感。クルマを手にしたときに自分の生活の変化を予感させるようなクルマを作りたい、と思ったんです。

小沢 やはり大切なのは、そのクルマの世界観だと。

小沢コージ
自動車からスクーターから時計まで斬るバラエティー自動車ジャーナリスト。連載は日経トレンディネット「ビューティフルカー」のほか、「ベストカー」「時計Begin」「MonoMax」「夕刊フジ」「週刊プレイボーイ」、不定期で「carview!」「VividCar」などに寄稿。著書に「クルマ界のすごい12人」(新潮新書)「車の運転が怖い人のためのドライブ上達読本」(宝島社)など。愛車はロールスロイス・コーニッシュクーペ、シティ・カブリオレなど。

(編集協力 北川雅恵)

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