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焼肉トラジが日本流ステーキハウス 黒船米国式に挑戦

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NIKKEI STYLE

ニューヨークスタイルと呼ばれるステーキハウスが人気を集めている。赤身の肉を分厚く切り分け、こんがりとオーブンで焼き上げて提供するところが多い。インテリアは高級志向で、従来の焼肉店より客単価が高い。東京では銀座、六本木に相次ぎ開店しており、本場で人気のウルフギャング・ステーキハウス、ベンジャミンステーキハウスはすでに日本に進出、老舗のピータールーガー・ステーキハウスも2020年までに出店する計画がある。日本勢では焼き肉業界から、焼肉トラジなどの飲食店を展開するトラジ(東京・江東)が2月、恵比寿にニューヨークスタイルのステーキハウス「T's STEAK HOUSE(ティーズステーキハウス)」をオープンした。さっそくトラジのステーキハウスを訪ねた。

店のエントランスで出迎えるのは、シャンデリアのようなクリスタルの装飾だ。真下に正方形のカウンターがあり、盛りつけや飲み物のサービスに使う。客席への目隠しを兼ねていて、右側の厨房を横目に客席へと案内される。トラジが経営しているが、焼き肉のイメージは全くない。ゴールドと黒を基調とした店内は高級感があり、肉の香りがしなければ、銀座のクラブにいると錯覚しそうだ。デザインを手がけたのは、ホテルの内装や店舗デザインなどで有名な橋本夕紀夫氏。ニューヨークそのものを意識したというより、高級感と居心地の良さを両立させ、橋本氏らしい独特の雰囲気を醸し出している。

焼き肉の老舗らしさを感じさせるメニューが「カルテット」(2人前1万6000円~、税別)で4種類の肉を一皿に豪快に盛り合わせたものだ。

「ステーキハウスはどうしても、たとえばサーロインステーキのように、1つの部位の肉を食べることになってしまう。焼肉店を展開する当社としては、いろいろな部位を楽しんでもらえるようにしたかった」(梅松大輔ジェネラルマネージャー)と、ラインアップした理由を説明する。値段は高めだが、和牛サーロイン、US熟成サーロイン、US熟成ハラミ、骨付きラム4種類が入っており、ボリュームも考え合わせれば、コストパフォーマンスは決して悪くない。

厨房の奥にあるのが「サラマンダーブロイラー」と呼ばれる大型のオーブン。熱源は上部についており、肉焼きグリルの下にはない。この利点は肉汁がしたたっても、下の熱源にあたって煙が上がることがない。つまり、いぶされずにすっきりと焼き上げられる。もともとサラマンダーブロイラーはグラタンなどの仕上げで表面に焦げをつけるのに使う。ニューヨークのステーキハウスの多くが採用している方式だ。日本で展開する米国ブランドのステーキハウスは米国製のオーブンを使っているが、ティーズステーキハウスではメンテナンスも重視して日本製を使うことにしたという。

焼き方にもノウハウがある。両面を焼いたら、いったん取り出して、食べやすい大きさに切り分ける。あらかじめ温めておいた皿に溶かしたバターを盛り、そこに肉を並べて、再びオーブンに入れる。部位や大きさによって加熱時間は微妙に異なり、実際にはシェフがタイマーで正確に測りながら調理を進める。

オーブンから取り出したら、焼き目の不均一な部分を皿の周囲に押し付けて焼く。ステーキ皿が茶色く縁取られているのは、繰り返し肉を焼いた跡だった。

肉汁はバターと一体となって、より香ばしく甘い香りが立ち上る。肉の表面はカリッとしていて、かみ締めると中はやわらかく肉汁があふれ出す。客席に運ばれて来た時に皿はまだ熱いので、肉を押し付ければ焼き具合を多少ながらも調整できるのが面白い。

肉以外のアラカルトメニューも充実している。なかでも人気なのが「シーフードプラッター」(4500円、同)だ。生のサーモンやホタテを盛りつけているところは、ニューヨークスタイルというよりは日本らしさを感じさせる。大型のロブスターは冷凍ものではなく、生きたままのものを取り寄せているという。

ワインも赤、白と色々取りそろえており、シーフードを楽しみながら肉が焼き上がるのをじっくり待てる。

スープも手を抜かずに、ロブスターのビスク、クラムチャウダーなど米国を感じさせるものを、本日のスープ(1600円、同)として提供している。

高級フレンチでは肩肘が張ってしまうが、適度にカジュアルでいながらシックなインテリアの中で、質の高いサービスを受けられるのがステーキハウスの魅力といえる。

コースメニューもあり、「EBISU COURSE」は前菜、スープ、ステーキとサイドディッシュ、デザート、コーヒーまたは紅茶で1万円(税別)。ステーキは「カルテット」または「プライムステーキ」から選べる。また、シーフードプラッター付きの「NEW YORK COURSE」は5000円の追加料金が必要。総額1万5000円は高級フレンチに近い価格設定だが、かなりのボリュームがあり、フレンチとは違う客層がターゲットになりそうだ。

ソムリエが常駐し、米国産のものを中心にワインの品ぞろえも豊富。ペアリングはスタンダードがコース料金にプラス6500円、プレミアムがプラス9000円となる。

「特徴としては部位にあわせた提案をしている。たとえば同じ肉でもサーロインとヒレでは別のワインにするなど」と梅松ジェネラルマネージャーは説明する。

デザートを充実させたのも特徴だ。「ティーズチーズケーキ」(1500円、税別)はやわらかく、一瞬レアチーズケーキと思わせるが、実際は焼き上げて作っている。盛りつけもイタリアンやフレンチのコースのように彩りが鮮やかで、季節のフルーツが飾られる。だが、しっかりとした分量があり、ニューヨークスタイルを感じさせる。

日本の焼肉店は独自の進化を遂げた肉食の文化といえる。そこにやってきた黒船が高級感のあるニューヨークスタイルのステーキハウスだ。トラジとしては、そのまま米国式を受け入れるわけではなく、肉の部位ごとに提供したり、オリジナルで3種類のソースを開発したりと、日本らしさにこだわっている姿勢が見受けられる。焼き肉文化と同じように、日本独自のステーキハウスへの進化が始まるきっかけとなる店かもしれない。

(ライター 寺尾豊)

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