残業・有休・フレックス 4月から変わる働き方新制度いまさら聞けない大人のマネーレッスン

2019/3/28
4月から順次施行される新制度で働き方が大きく変わる(写真はイメージ=PIXTA)
4月から順次施行される新制度で働き方が大きく変わる(写真はイメージ=PIXTA)

2019年4月から順次施行される「働き方改革関連法」。残業時間の上限、有給休暇の取得義務、休息時間確保の努力義務、フレックスタイム制の時間配分自由化などが実行段階に移ります。そこでこうした改革が実際に働く人の働き方やお金にどんな影響があるのか、ファイナンシャルプランナーとしても活動している経済エッセイストの井戸美枝氏が解説します。

4月から順次施行される「働き方改革関連法」

19年4月から順次施行される「働き方改革関連法」で、多くの会社員が関係するであろうポイントは以下の4つです。

■「働き方改革関連法」4つのポイント

(1)残業時間に上限が設けられる
残業時間は原則、月45時間/年間360時間までに

(2)有給休暇の取得が義務付けられる
年間5日以上の有給休暇取得が義務付けられる

(3)休息時間確保の努力義務
勤務終了後から翌日の出勤の間、一定の休息時間を確保する

(4)フレックスタイム制 時間配分がより自由に
「3カ月清算」まで可能になる

(1)~(3)は長時間労働を防ぐためのもの。(4)は柔軟な働き方を推進することが目的の制度といえるでしょう。

後述しますが、現状、残業時間が月45時間をオーバーしていたり、有給休暇を年5日以上取得できていない人は、4月1日以降に何らかの対応を迫られることになります。自分だけで対応することは難しいかもしれませんが、どういった改正が行われるか、確認しておきましょう。

残業時間に上限規制

まずは、残業時間の上限規制です。この規制は、大企業では19年4月から、中小企業は20年4月から導入されます。すでに残業時間の削減に取り組んでいる企業もありますね。

その内容は、1カ月あたりの残業時間が45時間、年間で360時間が上限となります。これ以上の残業は、原則認められません。1カ月45時間というと、単純に計算して1日あたり2時間程度の残業です。

ただし、繁忙期などを考慮し、特別な事情があって労使が合意した場合のみ、年間720時間まで認められる例外も設けられています。その場合でも、1カ月の残業時間を100時間未満にしたうえで、複数月でならして、平均で80時間を超えてはいけません。

ポイントは、違反した企業や人には罰則があること。6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられる可能性があります。

先述しましたが、現状、上記の基準を超える残業が発生している場合は、業務の見直しや効率化がもとめられるでしょう。

とはいえ、仕事の効率化にも限度があります。仕事量を減らす、サービスを削減する……といった方向へ動いていた企業もあります。たとえば、ヤマト運輸は配達時間帯の変更や値上げにより荷物の総量を減らしました。

残業代が減るのでは……と心配する声もありますが、これまで支払っていた残業代を賞与や給与で還元する企業もあります。あなたの会社はどうでしょうか。

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有給休暇取得の義務化