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投資の好機 自動車部品株は生産改革見よ(苦瓜達郎) 大和住銀投信投資顧問シニア・ファンドマネージャー

2019/3/26

写真はイメージ=123RF
「生産面で苦労している部品メーカーが思い切った生産改革により、経営立て直しに成功した場合は、株価の上昇余地が大きなものとなる」

前回から、企業や株価の見方について私がつかんだコツのようなものを業種別にお話しさせていただいています。サービス業に続いて、今回取り上げるのは自動車部品メーカーです。

私は「自動車って安いなあ」とよく思います。数名の人間が数時間のあいだ快適に過ごせる空間が確保され、時速数十キロメートルで移動し、10年以上利用可能な物が100万円や200万円で買えるというのは、住宅や自転車、工作機械やスマートフォンとかに比べて、とても割安だといっていいのではないでしょうか。

■自動車部品メーカーは必要最小限の設備と人員で物づくり

安さを実現できる最大の要因は、集中的かつ計画的な大量生産です。自動車は人々の生活に深く根ざした製品であり、かつメーカーがディーラー政策とモデルチェンジを通じて、ある程度需要をコントロールすることが可能なため、機械製品の中では比較的安定した生産計画を立てることができます。

自動車メーカーに部品を納入しているのが自動車部品メーカーです。自動車メーカーが立てた計画を基に、必要最小限に近い設備と人員で物づくりを行い、低価格で部品を納めています。

経済学の概念で、「限界生産性逓減の法則」というものがあります。生産要素の投入量を徐々に増やしていったときに、生産量は全体として増加するがその増加分は次第に小さくなるという法則です。

つまり、物を大量につくればつくるほど、1個当たりで余計にかかる費用が上昇していくというものですが、個別の企業活動を考えた場合は、この法則があてはまることは少なく、むしろ生産量が増えるほど限界生産性も向上する例の方が多いように思われます。

しかし、自動車部品メーカーに関しては、必要最小限の生産資源しか有していないため、能力を超えると限界生産性が逓減していく局面がしばしば見られます。

■生産に支障が発生しても納入は遅らせることができない

生産に何らかの支障が発生したとしても、自動車メーカーへの納品を遅らせて、彼らの組み立てラインを止めるわけにはいきません。まず残業で対応し、それでも足りなければ休日出勤、さらには本社人員による応援、航空便の多用と、どんなに費用がかさんでも納期を守ることが求められます。自社ではどうしようもない場合には、同業他社に頭を下げて逆ザヤで応援生産を依頼することすらあります。

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