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酒かすや味噌でフレンチ 日本酒とペアリングの妙世界で急増!日本酒LOVE(9)

ロンドンの酒イベントで市場調査

外国人ははっきりした味わいを好む人が多いので、同店では甘めの大吟醸より、うま味の強い純米酒や純米吟醸、フレッシュでみずみずしい生原酒などを多くそろえる。日本酒は常時50~60種はそろえ、入手困難な酒も多いので、それ目当てに通う常連客もいるという。

店では年に約8回、蔵元会などのイベントも開催している。全国各地の蔵元を呼んで、客との交流会を開いたり、クリスマスにはオペラとピアノ演奏を鑑賞しながら発酵フレンチと日本酒を楽しむ会を開催したり、津軽三味線や落語などのイベントも実施する。近所の公園で毎春開く花見イベントは外国人客にも大好評だ。

「フランスでも、健康ブームがあって、より軽い味わいのフレンチが増えてきています。フルボディーの重い赤ワインよりも、日本酒との方がペアリングしやすい料理も増えてきており、フランスのソムリエや美食家などが日本酒に関心を持ち始めています」と、日本酒の可能性を指摘する簗場さん。

升をイメージした窓が印象的な店の外観

簗場さんによると、シンガポールからの客は富裕層が多く、中には日本の飲食店リストを独自に作成して持ち歩いて制覇する食通も多いそうだ。しかし、高価な酒だからおいしいとは限らない。日本酒の味幅の広さを知ってもらえるように、好みに応じて様々な価格帯の酒を提供している。「普段ウイスキーが好きなお客様には熟成感のある日本酒を提供したり、白ワインが好きなお客様には吟醸系の香り豊かなフルーティー酒を提供したりしています」(簗場さん)という。

また、ワインを注いでもらう時には、グラスを客が触ってはいけない。このため、外国人客は日本酒でも猪口(ちょこ)を持たずに、注がれるのをずっと待っている人も少なくないという。「日本酒ではお猪口に触れていいんですよ、手で持ち上げて、注いでもらうものなのですよ」と作法を伝えると、日本文化に触れられたと大喜びする人もいるという。

簗場さんは、今後も日本酒を通して、日本人と外国人の交流の場を提供しながら、世界中に日本酒LOVERS(ラバーズ)を増やしていきたい考えだ。そして「将来は日本酒の輸出事業も拡大していきたい」と語る。「日本酒の新しい扉を開くきっかけになり、知らない世界を知るきっかけの店になれたら」と簗場さんは夢を広げる。

(GreenCreate 国際きき酒師&サケ・エキスパート 滝口智子)


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