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酒かすや味噌でフレンチ 日本酒とペアリングの妙世界で急増!日本酒LOVE(9)

海外の酒イベントで日本酒をアピールする簗場さん

酒好きにとって、SAKE Scene ます福で簗場さんからワインに関連した話も聞けるのも大きな魅力だ。例えば前菜料理に合わせて無ろ過生原酒の「旭興」(栃木・渡辺酒造)を提供する時には、「ソーヴィニオンブランにも少し似ていて、どこかキンモクセイのような香りもします」といった説明も添える。外国人などワイン好きな客にもわかりやすい説明で、日本酒に詳しくない客でも一気に日本酒が身近な存在に感じられるのだ。

また特筆すべきは、日本酒の大きな魅力の一つである「お燗(かん)酒」。あくまでも客の好みに合わせて提供しているが、特に要望がなければ、必ずコースの中に燗酒を1つ以上は付けている。

「当店ではうま味のしっかりした旨(うま)口系の日本酒を多くそろえています。それらは温めるとさらにうま味がアップし、香りも広がり、おいしさが丸くふくらむんです。いろいろな温度帯で楽しめるのも日本酒の魅力の一つであることを伝えたい」と簗場さん。

常連客のファンも多い「トリュフ温泉卵」

その真骨頂が「トリュフ温泉卵」。とろとろな温泉卵にトリュフをたっぷりかけてあり、トリュフの芳醇(ほうじゅん)な香りのソースも絶妙な味わい。筆者が訪問した日は山廃仕込みの「満天星」(鳥取・諏訪酒造)の熱燗をペアリングしてくれた。

濃厚でしっかりした味わいの料理を、骨太でしっかりしたうま味の熱燗が包み込む。その見事なマリアージュに感動する一品だ。付け合わせの香ばしいフランスパンに温泉卵を付けて味わうこともできるのだが、パンと日本酒のペアリング自体、たいていの人にとって生まれて初めてで、「パンにも日本酒はこんなに合うのか」とその斬新なおいしさにただ驚くことだろう。

また、食べ進めるにつれて日本酒の味わいが表情を変えていく。最初のテイスティングでは、スッキリと整った日本酒だと感じたはずなのに、発酵フレンチをひとくち味わって、再び同じ日本酒を堪能すると、なぜか最初よりもより濃厚で深い味わいに感じられるのだ。

「料理の味に影響されながら、日本酒の最初の一口目と、二口目以降の味の印象ががらりと変わるのは日本酒特有のマリアージュの面白さです」と簗場さん。最初は個性的な酒だなと思っても、同じような個性的な料理と一緒になると、見事に調和し、気づくと料理と一体化してするすると飲み進められてしまうことも多いという。SAKE Scene ます福では、日本酒の不思議な魅力を体験しながら楽しめる。

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