大人の女の働き方説く 有楽町でなぜかロングセラーに三省堂書店有楽町店

女性向けの本を並べた平台にギフトパッケージもあしらって展示する(三省堂書店有楽町店)
女性向けの本を並べた平台にギフトパッケージもあしらって展示する(三省堂書店有楽町店)

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は2~3カ月に一度訪れる準定点観測書店の三省堂書店有楽町店だ。駅前立地で売れ筋の変化が早いこの書店でも、『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』『メモの魔力』の2強はランキング上位が続く。そんな中、書店員が注目したのは、大人の女性の働き方を101の言動からチェックし、行動の改善を促すロングセラーだった。

4年半、1店舗で2千冊突破

その本はロイス・P・フランケル『大人の女はどう働くか?』(高山祥子訳、海と月社)。奥付によれば刊行は2014年8月と4年以上前の本だが、同書店での売り上げは累計で2千冊を超えた。普段は1階の新刊を中心にしたビジネス書コーナーの平台にさりげなく1列平積みにしておくだけだ。だが、「ぽつりぽつりと売れていく」とビジネス書を担当する主任の岡崎史子さんは話す。売れればまた追加注文して同じところに並べる。するとまた売れていく。これを繰り返してこの冊数に到達した。2千冊という数字は、「この規模の書店で確実に年間ベスト5に入る規模」。4年半がかりとはいえ、隠れたベストセラーと言っていい。

メッセージは「“女の子”を卒業しよう」

どんな本なのか。骨格となる主張はたった一つ「“女の子”を卒業しよう」だ。女性は一つには社会通念から、幼い頃から従順さを求められ、成長してからもしばしばそのようにふるまってしまう。だが、そうした言動が仕事での成功を阻む。従順な幼い女の子のようではなく、しかも男性のようにふるまうことでもなく、大人の女性として行動することが成功への道だと著者は説く。

原著の刊行は04年と15年ほど前だが、女性の社会進出が日本よりはるかに進んでいるはずの米国でもなおこうした本が必要なほど、社会通念は強固なようだ。その通念を本人の言動で突き崩していけるよう、女性が職場でおかしがちな101の言動をチェックしていくのが本書の構成だ。「ビジネスは試合であり、あなたはその試合に勝つことができます」と呼びかける著者の仕事観は、職場の人間関係に悩む人には新鮮に響くだろう。

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