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美しい透明カエルの新種発見 生息地を脅かす汚職問題

日経ナショナル ジオグラフィック社

2019/3/30

エクアドルでは、隣国のコロンビアやペルーに見られる大規模な鉱業プロジェクトは行われてこなかった。そうした中で、開発が進む背景には汚職の問題がある。その代表がホルヘ・グラス元副大統領だ。グラス元副大統領は、ブラジルの建設会社から1350万ドルの賄賂を受け取ったとして、2017年12月、懲役6年の判決を受けている。

鉱山採掘は、アマゾン川流域の国々の自然に「壊滅的な影響」を及ぼしてきた過去がある。ただ、エクアドルの憲法には、自然に対する不可侵の権利が謳われており、他国のようにはならないと考えられてきた。それだけに「自然保護活動家は、最近の政府の鉱業推進政策を警戒している」とバンデグリフト氏は話す。

今回発見されたアマガエルモドキの新種は、ほかのアマガエルモドキと同様、皮膚が半透明であり、樹上で生活する(PHOTOGRAPH BY JOSÉ VIEIRA, TROPICAL HERPING/USFQ)

■発見をカエル保護の大きな声に

研究者は、発見したアマガエルモドキの新種を国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで、個体数が極めて減少している「近絶滅種」に指定するよう提言している。

自然保護団体は、今回の件を、鉱業の影響でエクアドルの希少動物が大きな危機に直面していることを示す象徴だと考えている。

エクアドルには600種近くの両生類が生息すると言われる。「そのうちの20%以上は、まだ分類学な記載がない『未記載種』のままだ」と、エクアドルのジャムバツ両生類研究保護センターの所長ルイス・コロマ氏は言う。なお同氏は、今回の論文の研究チームの一員ではない。

コロマ氏は続ける。「今回の研究は、この新種とその他の絶滅の危機に瀕する両生類を、鉱山開発から守る大きな抗議の声なのです」

(文 DOUGLAS MAIN、訳 牧野建志、日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック ニュース 2019年3月8日付]

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