検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

NIKKEI Primeについて

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

/

社員が推す「リファラル採用」 女性との親和性高く

人生100年時代のキャリアとワークスタイル

詳しくはこちら

NIKKEI STYLE

人材不足で採用での人材獲得競争が激化している中、新たな人材へのアプローチとして、社員から推薦を受けた人を採用する「リファラル(紹介)採用」が注目を集めています。いったい、どのようなメリットがあるのでしょうか。女性との親和性が高い理由はどこにあるのでしょうか。人事労務コンサルタントで社会保険労務士の佐佐木由美子さんが解説します。

国内外で増えるリファラル採用

企業が採用活動を行うとき、自社サイトをはじめ、求人媒体を利用して人材を募集したり、求人紹介エージェントを通じて人材を紹介してもらったりするのが一般的です。「リファラル採用」は、こうした従来の採用手法によらず、社員を通じて、知人や友人を紹介・推薦してもらい、採用選考を行う手法をいいます。

米国では、グーグルやアクセンチュアなどの有名企業をはじめ、リファラル採用がすでにメジャーな手法として確立されています。近年は、国内でも外資系企業のみならず、サイバーエージェントやメルカリなど、IT(情報技術)・スタートアップを中心に導入する企業が増えているといわれています。

リファラル採用のやり方も企業によって様々ですが、一般的には、紹介をしてくれた社員に対して、一時金やボーナスを支給しているケースが多いといえます。金銭以外のインセンティブとしては、景品などを支給する企業もあるようです。

リファラル採用3つのメリット

リファラル採用においては、労使双方においてメリットがあるといえます。企業側からみた主なメリットを3つ挙げてみましょう。

1つ目はマッチング精度の向上です。自社の社員がリクルートするわけですから、企業の価値観や求められるスキル、人物像は理解しているといえます。社員のフィルターを通して、ふるいにかけてくれるので、マッチングの精度は自然と高まるでしょう。

また、自分の同僚となる可能性があるだけでなく、もし「仕事ができない人」を推薦すれば、社員自身の評判にもかかわってくるので、良い人材を紹介しようと考えるはずです。

2つ目は定着率の向上です。入社後、社内に知り合いがいれば、わからないことがあっても気軽に聞くことができますし、新しい職場にも比較的早くなじむことができます。会社側にとっても、採用者との信頼関係は築きやすいといえるでしょう。求人サイト経由の採用者の入社1年未満の離職率を比べた米国の調査(2008年)では、求人サイト経由は22.1%なのに対し、リファラルで採用された人はわずか6.8%と圧倒的な違いが見られました。これには、紹介者である社員のフォローなども考えられますが、採用時点でのミスマッチの低さも影響しているといえるでしょう。

3つ目は採用コストの削減です。1人当たりの採用には膨大なコストがかかるといわれます。求人サイトへの掲載料はもちろん、エージェントに支払う紹介料は、年収の3割程度といわれます。まして、昨今はいくらお金を支払っても、企業が求める優秀な人材が転職市場にいるとは限りません。リファラル採用で社員にインセンティブを支払うとしても、民間企業へ委託して支払うコストと比べれば大きく削減できるでしょう。

一方、紹介を受ける側から見ると、知人・友人が実際に働く職場の情報が入手できるという意味で安心です。ホームページや採用担当者などから知り得る情報はほんの一握りで、入社してみたら、「実際と想像とは違っていた」というのは、よくある話です。

求められるスキルをはじめ、企業風土や価値観、残業の有無や休みの取りやすさなど、なかなか表には見えてこない情報がわかれば、ミスマッチを減らすこともできます。また、知人・友人が、その企業に愛着と誇りをもって働いている姿を知ることで、好感度も高まり、入社後のロイヤルティーも高まることでしょう。

デメリットとして考えられるのは、紹介者が退職してしまうことによる、モチベーションの低下です。リファラル採用で入社すると、紹介者の評判を損なわないように、パフォーマンスを発揮しようと本人も努力します。しかし、紹介者が退職してしまうと、やる気や生産性が低下し、本人が退職してしまうケースもあります。

リファラル採用は女性に向いている?

リクルートキャリアの実態調査(18年3月)では、知人に「自社にこないか?」と誘われた経験がある人のうち、その会社の選考を受けた人は54.8%、2人に1人が選考に進んでいることが明らかになりました。「選考を受けた理由」については、70.2%が「以前からその会社や事業に興味を持っていたわけではなかった」と回答。つまり、転職者にとっては、全く想定していなかった企業との出合いをもたらしていることが多いという結果となりました。

これは非常に興味深いことです。声をかけられたときに、決して転職を考えていたわけではない人も多いはずです。上述の調査では、声をかけられた人がどのように感じたかについて、以下のようなポジティブなコメントが多く寄せられました。

「信頼できる友人からの誘いだったので、本当に自分のためを思ってくれているのだと思った」
「自分の能力や経験を存分に発揮し、評価される環境が手に入るかもしれないと感じた」
「この年でまったく職種の違う職場に必要とされるのはうれしかった」
「自分の状況・環境を変えるために、具体的なアクションを起こすきっかけがつかめなかったため、救いの手が差し伸べられているような気になった」
「自分が友人にとって優秀な人材として評価するに値するのだと感じ、うれしかった」

別の視点で考えてみると、リファラル採用は、口コミが得意な女性にとって、実はとても相性がよいかもしれません。会社がリファラル制度を導入して人材を募集していれば、「適した人はいないだろうか?」と親身に考えて身近な人に声をかけたり、紹介者に対して丁寧に説明してくれたりする女性は多いのではないでしょうか。

リクルートキャリアの調査においても、紹介された知人とコンタクトを取っていた頻度は「月2~3回程度」が一番多く(23.4%)、声をかけてくれた知人との関係性は「大学時代の友人・知人」(23.1%)が多いことがわかっています。親しい間柄だからこそ、自分がよいと感じている会社を推薦できるといえます。

また、女性は男性に比べ柔軟性が高いといわれています。リファラル採用では、これまで何ら興味もなかった仕事を、転職活動をしているかどうかにかかわらず、突然知人から紹介される可能性があります。そうした思ってもいなかった転機を味方に変えて、キャリアを転換していくしなやかさは、実は多くの女性に備わっている資質であるともいえます。

このようにリファラル採用が広がってきているのは、「この人なら紹介したい」と思われる人間性が、スキルや能力以上に求められている時代背景があるのかもしれません。

佐佐木由美子
人事労務コンサルタント・社会保険労務士。中央大学大学院戦略経営研究科修了(MBA)。米国企業日本法人を退職後、社会保険労務士事務所などに勤務。2005年3月、グレース・パートナーズ社労士事務所を開設し、現在に至る。女性の雇用問題に力を注ぎ、働く女性のための情報共有サロン「サロン・ド・グレース」を主宰。著書に「採用と雇用するときの労務管理と社会保険の手続きがまるごとわかる本」をはじめ、新聞・雑誌などで活躍。

春割ですべての記事が読み放題
有料会員が2カ月無料

有料会員限定
キーワード登録であなたの
重要なニュースを
ハイライト
登録したキーワードに該当する記事が紙面ビューアー上で赤い線に囲まれて表示されている画面例
日経電子版 紙面ビューアー
詳しくはこちら

ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。

関連企業・業界

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で無料体験するログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で無料体験するログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン

権限不足のため、フォローできません

ニュースレターを登録すると続きが読めます(無料)

ご登録いただいたメールアドレス宛てにニュースレターの配信と日経電子版のキャンペーン情報などをお送りします(登録後の配信解除も可能です)。これらメール配信の目的に限りメールアドレスを利用します。日経IDなどその他のサービスに自動で登録されることはありません。

ご登録ありがとうございました。

入力いただいたメールアドレスにメールを送付しました。メールのリンクをクリックすると記事全文をお読みいただけます。

登録できませんでした。

エラーが発生し、登録できませんでした。

登録できませんでした。

ニュースレターの登録に失敗しました。ご覧頂いている記事は、対象外になっています。

登録済みです。

入力いただきましたメールアドレスは既に登録済みとなっております。ニュースレターの配信をお待ち下さい。

_

_

_