メッシュネットワークは、対応するWi-Fiルーターと子機同士が互いに通信し、網目(メッシュ)状にWi-Fiの電波を張り巡らす仕組みだ。パソコンやスマホの使う場所によって、親機や子機のうち最も状態の良い機器に接続を自動で切り替える

メッシュは速度が低下しない、ただし導入コストが高い

中継機の欠点を補ったのがメッシュネットワークだ。メッシュ技術に対応したWi-Fiルーター(親機)と子機を複数台設置し、ネットワークを網目状に張り巡らせ、電波を遠くに到達させる仕組み。パソコンやスマホなどの接続先は状況に応じて状態のいい親機や子機に自動で切り替わるため、接続先を特に意識しなくてもよい。また複数ある通信経路から最も良い経路を自動的に選んで通信するため、通信効率が良いとされている。

中継機と違い、送信と受信を同時にできるため、そこで速度が半減することもない。さらに、中継機は壊れるとそれに接続されている機器がすべてネットワークに接続できなくなるが、複数の子機を配置するメッシュネットワークなら、1つの子機が壊れても別の経路が確保されており、問題なく通信を続けられる。

中継機の場合、中継機が故障するとそれに接続していたすべての機器の通信が遮断される。一方、メッシュネットワークで対応の子機を複数設置した場合、子機が1台故障しても別の経路で接続するので、そのような心配がない

メッシュネットワークは万能に見えるが、対応製品がとても高価だ。親機、子機ともに1台1万~2万円程度もするうえに、それが複数台必要になるため、導入するにはかなりの出費となる。また、メーカーが指定した親機や子機の組み合わせしかメッシュネットワークを構築できず、中継機のような手軽さはない。

製品によっては、スマホのアプリが提供されており、それを使うとどのようなメッシュネットワークが構築されているか、視覚的に確認できる。現在の接続台数や利用周波数帯、電波状況などもわかるので、状況を把握しやすい。

メッシュネットワークを利用できるのは、同一機種か、その機種に対応したメッシュネットワーク対応の専用子機のみ。親機と子機のセット品を販売しており、それを購入すればよい。ただし、セットで2万~4万円程度もするため、導入コストはかなり高い

遠くはメッシュの効果あり、直接つなぐより3倍以上も速い

今回は1階の南側にWi-Fiルーターを設置し、中継機やメッシュネットワークを導入することで、2階の通信状況がどのように変化するかを調べた。Wi-Fiルーターを設置した場所から一番遠い2階の北側の部屋では、メッシュネットワークを使うとWi-Fiルーターのみの場合と比べて3倍以上に速度が跳ね上がったため、効果はかなりあることがわかる。

一方で、Wi-Fiルーターの設置場所の真上となる2階の南側の部屋では、Wi-Fiルーターに直接接続したほうが速かった。Wi-Fiルーターから近ければ直接つないだほうが速いものの、メッシュでは自動で接続先が切り替わるので、利用時にそれを意識しなくてもいいこともメリットだろう。

1階の南側の床にWi-Fiルーターを設置し、2階のパソコンでダウンロード速度を測定した。中継機は2階の中央部に、メッシュネットワークの子機は、1階と2階の中央部の2カ所に配置した。なお、中継機は今回のテスト環境では良い結果が出なかった。

<※実売価格は雑誌掲載時のもの。>

[日経PC21 2019年4月号掲載記事を再構成]

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