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ちょっとした理由で、服は着なくなる

―― 話は戻りますが、クローゼットに残しておいても、「いつか」は来ないのでしょうか。

輪湖 来ないと思います。

―― そうなんですね。でも、高かったコートなどは「捨てられない組」に入りがちです。

輪湖 皆さん、体感しているかもしれませんが、服自体の機能は年々進化しています。やはり最近の服は、着心地がよく、軽くなっています。服に機能性を求める人にとっては、昔の服、特にコートなんかは改めて着ると重いと感じて着られないと思います。気合を入れて、おしゃれとして昔の服を着たい人はそれですてきだと思いますが。

クローゼットのコンサルティングをしていても、よくあるケースですが、高かったからと残してあっても、やはり「着ない理由」があるんです。「腕が上げにくい」「片手でボタンが留められない」など、本当にちょっとしたことで服って着なくなるのです。

手放すときには、着ない理由をちゃんと把握することも大切です。でなければ、また同じようなものを買ってしまいます。

手放すときには、着ない理由をちゃんと把握することも大切。輪湖さんはきちんと理由を書き留めている

お店も、自宅のクローゼットも法則は同じ

―― ある程度の期間着なければ、手放したほうがいい、ということでしょうか。

輪湖 「春夏」と「秋冬」の2シーズン、つまり1年間着なかったら手放すぐらいでもいいかもしれません。数年前の在庫が残っているなんて邪魔でしょうがないですよ。限られた売り場スペースを有効に活用できません。

―― 売り場ですか?

輪湖 実は、お店も、自宅のクローゼットも法則は同じです。自分がお店に行くとしますよね。まず、服がぎちぎちにかかっていたら、見る気は起きますか? すべての服が見やすく、かつ、手に取りやすく、アイロンがかかっていて、すぐ着られる状態だから買おうという気が起きます。

おしゃれかどうかは、量ではない

輪湖 例えば、お店に行ってトップスを試着したら、お店の人が、トップスにぴったり合うボトムスやアクセサリーをすぐに出してくれた経験はありませんか? お店では、買ってもらうために、ちゃんとベストな組み合わせを考えて、準備しています。自宅のクローゼットも、このトップスには、このボトムスを合わせて、アクセサリーはこれで、とパーフェクトな組み合わせで準備されていたら悩む必要もないですよね。

―― なるほど、ぎゅうぎゅう詰めで、組み合わせも決まっていないクローゼットを前にしたら、手も伸びないし、毎日悩んで当然ですよね。

輪湖 これは確実に言えるのですが、服の絶対量を減らせば自然に見やすくなります。コンサルティングに行っても、ざっくり言って、10人いれば9人は服が多過ぎです。反対に服が少なくて悩んでいるのは1人ぐらいでしょうか。

これまでの私の経験上、服を300枚以上持っていて「この人おしゃれだなあ」と思った人は一人もいません。おしゃれかどうかは、量ではないと思います。

ミランダかあちゃん(輪湖もなみ)
ファッションプロデューサー、ファッションブロガー、リメイクデザイナー。有限会社モナミアンドケイ代表取締役社長。大手アパレル(株)ワールドに16年勤務し、専門店販売指導、店舗管理に携わる。アパレル時代の現場経験と、自身のセンスを生かして2016年から始めたブログ「ミランダかあちゃんのスタイルレシピ」がおしゃれに悩む大人女性に人気を博す。著書に『「いつでもおしゃれ」を実現できる幸せなクローゼットの育て方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。

(取材・構成 小林浩子=日経DUAL編集部、写真提供 輪湖もなみ)

[日経DUAL2019年1月9日付の掲載記事を基に再構成]

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