40代以降の不正出血 ホルモンバランスの乱れかも
その出血は本当に月経?(上)
月経が来たり来なかったり、量も以前とは違う……。こうした月経の変化は更年期によくある症状。一方で、月経だと思っていたら、不正出血で病気が隠れていたというケースも。1回目は、ホルモンバランスの乱れによって起こる出血について説明する。
◇ ◇ ◇
月経でもないのに出血したり、月経かと思ったらだらだらと長引く……。こんな症状は、不正出血の可能性がある。福島県立医科大学附属病院性差医療センターの小宮ひろみ教授は、「月経時以外に見られる出血を不正出血と言い、ホルモンバランスの乱れによるものを『機能性出血』、病気が原因のものを『器質性出血』と呼ぶ」と話す。
40代の更年期世代で頻度が高いのは、女性ホルモンの分泌が不安定になって起こる「機能性出血」だ。閉経が近づくにつれ、排卵が起こらない周期が増えることも影響している。
「排卵がないと、黄体ホルモンが分泌されず、子宮内膜がきちんとはがれにくくなる。結果、だらだらと出血が続いたり、子宮内膜が厚くなりすぎて一度にドッと出血したりする」と小山嵩夫クリニックの小山嵩夫院長は言う。
この場合の出血は、年齢なりの変化なので、一般的にはあまり心配はない。ただ「何カ月も続けば、貧血を起こすことも」(小山院長)。月経の変化をよく見ておき、不正出血があれば一度診察を受けておこう。図のセルフチェックも目安になる。
福島県立医科大学附属病院性差医療センター(福島県福島市)教授。1986年山形大学医学部卒業。山形大学医学部附属病院産婦人科などを経て2017年から現職。専門は、生殖内分泌、思春期、女性外来、漢方。同院漢方内科部長。
小山嵩夫クリニック(東京都中央区)院長。1968年東京医科歯科大学医学部卒業。同大学産婦人科講師、助教授を経て現職。更年期の患者の訴えに耳を傾ける診療を心がけている。NPO法人更年期と加齢のヘルスケア理事長。
(ライター:及川夕子、構成:日経ヘルス 中西奈美)
[日経ヘルス2019年4月号の記事を再構成]
健康や暮らしに役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。