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キューバのおんぼろ列車 時間が止まったような旅

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ナショナルジオグラフィック日本版

キューバの鉄道は砂糖の生産とともに長い歴史をもつ。鉄道の近代化はこれからだが、それだけに昔ながらの列車旅の風情が残る。ハバナに拠点を置くコロンビア人写真家、エリアナ・アポンテ氏の写真で、古列車の旅を見ていこう。

◇  ◇  ◇

海に囲まれた島国キューバが、ラテンアメリカで初めて、そして世界でも早い時期に鉄道網を築いた国だと聞くと、意外に感じる人もいるのではないだろうか。

砂糖の生産者たちが、サトウキビを畑から工場へ運ぶために効率的な大量輸送システムを求めたことが、鉄道建設のきっかけとなった。

砂糖の製造会社は、この国の道路網が整っておらず、しかも雨期になるとしょっちゅう洪水で流されてしまうことが事業の妨げになっていることに気づき、鉄道こそが解決策だと考えたのだ。

そうした事情から、キューバ初の鉄道は1837年に開通。当時は、世界で鉄道を有する国は、キューバ以外にわずか6カ国だった。鉄道網は急速に拡大し、20世紀初頭には米国のチョコレート会社ハーシーが参入し、自社用の電化した鉄道を建設した。

19世紀の砂糖王たちのニーズに応えて建設されたキューバの歴史ある鉄道は、現在、主に地方の住民たちに利用されている。キューバ鉄道は総距離4000キロ以上におよび、国民の大半がこれを利用できる環境にある。鉄道は人々にとって安価な交通手段となっている。

ハバナからマタンサスにかけてのハーシー線では旅行者の姿も見かけるが、その他の鉄道は主に地元の人々が、通勤したり、友人や親戚を訪ねたり、ちょっとした用事を済ますのに利用している。鉄道の旅には忍耐が必要だ。列車は独自のスケジュールで動いており、公に示されている時刻と一致することはめったにない。

撮影したアポンテ氏は、鉄道を撮るプロジェクトに取りかかるにあたって、自分自身を、この国の鉄道旅のリズムに合わせることにしたという。

「サンティアゴ・デ・クーバに列車で行くことを決めたとき、周囲からは『どうかしてる。着くまでに3日はかかるよ』と言われましたが、わたしは『大丈夫、やってみたいから』と答えました」

事実、列車がハバナを出発するのは2時間遅れ、ひたすらのんびりと走る旅は、24時間かけて目的地に到着した。それでもアポンテ氏は、列車の窓から見えたすばらしい田舎の夕景と、乗客たちができるかぎり旅を快適にしようと工夫を凝らしている日常の風景に出会えたのが収穫だったと語る。ある乗客などは、列車に持ち込んだマットレスを通路に敷き、他の乗客たちが窮屈な座席で寝ている脇で気持ちよさそうに寝ていたという。

アポンテ氏はこうしたエピソードの中に、「ノ・コハス・ルチャ(「戦うな」の意)」という現地の言い回しにも見られる、キューバ農民たちの辛抱強さを感じ取ったという。

「それは言わば、人生を前向きに生きていこうという精神です」とアポンテ氏は言う。

キューバは現在、海外からの支援を受けて2030年までに鉄道の近代化を進めようとしている。新たな法律により、キューバの鉄道は60年前の国有化以来初めて、海外企業による運営が可能になり、ロシアとフランスの二国がすでに投資を表明している。こうした動きに押されて、キューバの鉄道は未来に向けて走り出すことになるだろう。

(文 ABBY SEWELL、写真 ELIANA APONTE、訳 北村京子、日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック 2018年10月4日付記事を再構成]

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