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折り畳みスマホで人気上昇? 超縦長画面の意外な魅力

西田宗千佳のデジタル未来図

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NIKKEI STYLE

2019年2月にスペイン・バルセロナで開催された「MWC19バルセロナ」で相次いで画面を二つ折りにできる折り畳み型のスマートフォン(スマホ)が登場した。だが、二つ折りスマホの普及はそれほど容易ではない。その一方で、二つ折りに付随する形で注目を集めそうなのが画面の縦横比率が「21:9」という超縦長の機種だ。

意外な伏兵「21:9」スマホ

二つ折りスマホの画面は広げた状態でやや縦長の長方形になる。二つに折って片手で持つ場合、その縦横比は今のスマホより縦に長い、21:9に近いものになる。現在のスマホは、ミドルクラス以下は16:9、ハイエンドは18:9前後の縦横比を採用しているが、21:9はそれよりもさらに「縦長」だ。

一見使いづらそうに思えるが、意外や意外、そうでもない。たしかに縦方向には長くなるので、片手で持ったときに、端から端まで親指は届かない。だが、狭額縁化の恩恵から、スマホ自体の横幅は狭くなっているため、片手で持つのは楽になる。

そんな「21:9」にこだわったのがソニーモバイルコミュニケーションズだ。同社はフラッグシップモデル「Xperia 1」をはじめとした2019年の新モデルでは、二つ折りでなく「21:9」のディスプレーを全面採用している。

長時間実機を持って操作できたが、第一印象は「長い」と思ったものの、慣れてしまうと意外と悪くない。片手だけで操作するのは難しかったが、持ちやすさは縦横比16:9の大画面スマホよりもいい。

とはいえ、ソニーモバイルは持ちやすさのために21:9の採用を決めたわけではない。同社で商品企画を統括する商品企画部門部門長の田嶋知一氏は、「18:9などの縦横比は、弊社も採用例があるがどうにも落ち着かなかった。コンテンツを楽しむなら、映画で採用されている21:9か16:9。ならば21:9にしよう、と思い切った」と経緯を説明する。

21:9は映画で多用されている画面比に近い。16:9よりも画面の無駄が少なくなり、視聴にはより適切な画面サイズだ。ゲームなどでも、視界が横方向に広くなって有利になる。ソニーモバイルのいう「コンテンツ重視」とは、そうした部分を指す。

今のところ21:9を直接採用したのはソニーモバイルだけで、アプリなどの21:9画面への最適化がどれだけ進むか、未知数なところが難点だ。だが二つ折りスマホの「片手持ちモード」も21:9なので、意外とアプリは増えやすいかもしれない。

そう考えると、今年広がるのは二つ折りよりも「21:9」……という可能性もありそうだ。

二つ折りスマホの将来性は…

では、注目の二つ折りスマホはこれから普及していくのだろうか。

現状の二つ折りスマホは今までにあまり見たことがない形状であり、純粋に所有欲や好奇心をそそる。必要なときに広げて使えることは、地図や電子書籍の閲覧に便利そうだ。

しかし、今のところ価格が高すぎる。韓国サムスン電子のGalaxy Foldは1980ドル(約22万円)。中国華為技術(ファーウェイ)のHUAWEI Mate Xは2299ユーロ(約28万円)と、Galaxy Foldよりもさらに高い。

二つ折りスマホが高くなる理由は、ディスプレーに関わるパーツ類が高価であるからだ。

折り曲げるディスプレーに使われているのは、有機ELディスプレーである。液晶に比べて高価ではあるが、そこまで大きな問題ではない。量産すればコストは下がりやすいし、すでにスマホ用有機ELの量産体制は確立されつつある。

だが、スマホにはタッチパネルも必要だ。有機ELディスプレーは簡単に曲げられても、タッチパネルに使う電極層は簡単にはいかない。折り曲げられるような新しい素材を使う必要がある。また、スマホのディスプレーは表面が傷つかないように、ガラスでカバーするのが一般的だが、ガラスは折り曲げに向かないので、樹脂でカバーする必要が出てくる。しかし樹脂はガラスに比べ柔らかく、傷がつきやすい。折り曲げに耐えて傷の問題にも対応させるには、特殊な樹脂とコーティングの組み合わせが必須だ。

同様に、本体を折り曲げるためには「ヒンジ」を組み込み、そこに配線を通す必要がある。ここで堅牢かつ薄型で、さらにスムーズな動作を実現するものを作るのは、やっぱりコストがかかる。

これらはどれも、量産すれば解決できる。だが、これだけコストをかけて開発したものが本当に広く使われるようになるのかという点にも疑問が残る。

二つ折りスマホは、広げればタブレットのように使えるのが利点だ。だが一方で、「折り畳むと分厚くなる」という難点は解消できていない。ディスプレー表面の硬さはガラスを使った製品に比べ劣るため、一般的なスマホに比べ傷つきやすい可能性が高い。そして、傷を防止しようにも、二つ折りではカバーが付けられない。

こう考えると、ヒットするまでの道のりは険しい。短期的にいえば二つ折りスマホはやはりニッチな存在であり、今後劇的にコストが下がれば普及する「かもしれない」…というのが、筆者の見立てだ。

西田宗千佳
 フリージャーナリスト。1971年福井県生まれ。得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、ネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。

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