年金・老後

定年楽園への扉

男性は定年前にアウェー経験を 転職や起業の財産に 経済コラムニスト 大江英樹

2019/4/4

写真はイメージ=123RF

先日、女性の方々数人と食事をしました。彼女たちの年齢はいずれも40~50歳代、職業は独立したファイナンシャルプランナーや会社員など様々でしたが、共通するのは結婚の経験があり、仕事も何度か変わったことがあるということでした。

女性の方々のお話を聞いていると、我々男性とは違う発想を垣間見ることができます。女性ならではの視点はユニークでとても面白く、私はそういう機会が好きなのですが、そのときある女性の方がいったひと言が印象的でした。

それは「男の人って結構、アウェーになったことがないのよ。だからアウェーの立場になるとどうしていいかわからず、混乱してしまうのよ」という内容でした。

その場にいた他の女性の皆さんもこれには大きくうなずき、さらに次のような言葉も出てきました。「そうそう、特に大企業にずっと勤めていた人ほど、全くアウェーの経験がないのよ。だから困ったものなの」

■企業社会、「〇〇の常識は世間の非常識」

私は仕事柄、企業で50歳代の社員の方向けに定年後のライフプランのお話をすることが多いのですが、この女性の方々がおっしゃることは非常によくわかります。特に大企業において、どこの会社でもよくいわれるのは「〇〇の常識は世間の非常識」という言葉です。私がかつて勤めていた会社でもよくこのセリフは使われました。

要するに企業社会では一つの会社に長くいると、自分が住む世界が狭い範囲内に限られ、社内の力学や人間関係の構築にはたけても、世間の感覚に疎くなってしまうということです。

私の経験でも大企業ほどそういう人は多いように思います。そういう人は会社の中ではいいかもしれませんが、いったん外に出てしまった途端に何もできなくなってしまうことが多いのです。

「いや、営業をやっていたら外の人と接するからそんなふうにはならない」という人がいるかもしれませんが、それは少し意味が違います。それは単に商売するために相手に合わせる技術が身に付いているだけであって、常に自分が所属する会社の看板を背負って仕事をしているわけですから、組織にいる限り、自分がアウェーの立ち位置になることはないといえます。

■女性は男性に比べ多彩な立場を経験

一方、女性は多くの人が男性に比べ比較的多彩な立場を経験します。学校を出て会社に入っても、結婚して退職することがあり得ます。しばらく家で専業主婦として過ごした後に、再び働きに出ることもあります。時代は変わりつつあるとはいっても、今の日本はまだまだ男性中心の社会という色彩が残っているので、女性のアウェー感は根強いものがあるでしょう。

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