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広がるライブ用耳栓、どんな仕組み 使い心地は?

2019/4/3

ライブで観客がつける耳栓。いったいどんな仕組みなのか

最近、音楽ライブ中に観客がつける「耳栓」が注目されている。音楽を聴きにいったのに耳栓をつけるというのは違和感があるかもしれないが、一般的な耳栓とは異なり、耳栓をつけても音のバランスを崩さず音楽が楽しめるようになっている。聴覚保護の観点から推奨するミュージシャンも増えており、欧米ではクラブ、バーなどでの耳栓の無料配布を義務づけていたり、コンサート会場で耳栓の配布を推奨していたりする地域もあるという(記事「大音量から耳を守れ ライブ専用の『耳栓』が広がる」参照)。だが、まだ使ったことがない人にとって気になるのは、その仕組みと実際に使ってみたときの音の聴こえ方だろう。その効果や構造を知るために製作者に話を聞き、さらに実際のライブに耳栓をつけて参加してみた。

◇  ◇  ◇

「耳への負担を意識しながら音楽を楽しむときに大切なのは、一つは音量、もう一つは周波数のバランスです」

そう話すのは、ライブで使う耳栓、ライブ専用イヤープラグを製作する須山歯研代表取締役社長の須山慶太さん。アーティスト用のイヤーモニターやオーダーメードイヤホンなどを製作する「FitEar(フィットイヤー)」ブランドで知られる同社は、音楽を楽しんで聴きながら聴覚も保護する「SAFE LISTENING」の活動を以前から行っている。

フィットイヤーのライブ専用イヤープラグ。コードがついているため、見た目は耳栓というよりイヤホンのようだ

「耳の聴こえ方は人それぞれ違います。ボリュームが大きかったり、指定席で入った自分の席がスピーカーの目の前だったりすると、人によってうるさく感じてしまってライブが楽しめないことがあります。しかし通常の耳栓では音がこもってしまい、音楽を楽しむ体験が損なわれてしまう。ライブ専用イヤープラグは、その両立をはかるものです」(須山さん)

ライブ会場では音量が100デシベルまで行くことも珍しくないが、これは長時間いると聴覚に影響を与える可能性があるレベル。フィットイヤーのライブ専用イヤープラグでは、音楽の質感を損ねることなく15デシベルほど音量を下げることができるという。このライブ専用イヤープラグは、現在「フジヤエービック」「e☆イヤホン」「山野楽器」などで購入できる(実勢価格は2160円)。

■遮音されやすい高音を聴こえやすく

では、具体的にライブ用耳栓はどのような構造になっているのだろうか。 須山さんによれば、「メカニズムや構造はいたって簡単なもの」だという。

「まず、通常の耳栓などで耳を塞いでみると、波長の関係から中高域の周波数の音は聞こえにくくなりますが、低い音はなかなか遮断できないことがわかります。そこで、ライブ専用イヤープラグは耳栓をしたときの低音の大きさを基準に、中高音はそれに合わせて音を通しやすく調整しているのです。これにより、音のバランスがフラットになります」(須山さん)

実際に製品を分解して、構造を調べてみた。

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