アシックス社長、東海高で得た「一歩踏み出す勇気」広田康人・アシックス社長COOが語る(下)

高校では音楽、特にロックが好きだった。

ビートルズに始まり、レッド・ツェッペリンやザ・フーなどをよく聴きましたね。マニアックなところでは、クリーデンス・クリアウォーター・リバイバルとかグランド・ファンク・レイルロードとか。いずれも米国のバンドで、来日したときにはコンサートも聴きに行きました。

自分たちでいい加減なバンドも組んでいたんですよ。ロックだけでなく、日本のかぐや姫やチューリップなどの曲もコピーして演奏していました。私の担当はベース。あまり上達しませんでしたけどね。今はもっぱら聴く方です。サザンオールスターズだけはライブに足を運びますね。

50歳から始めたランニング。フルマラソンで4時間を切った=広田康人氏提供

自信を付けたといえば、クラブ活動もそうでしょうか。中学、高校とスキー部に所属しました。運動はあまり得意ではなかったのですが、距離競技なら何とかなるかなと。やってみると、ものすごい運動量なんですね。当時は今と違って、スキーをまっすぐ前に向けるクラシカル走法が主流でしたから、余計に負荷がかかる。体力だけはつきました。

大学時代も社会人になってからも運動はさほどしていませんでしたが、50歳になって、少し健康にも気を配らなければと思い、ランニングを始めました。東京マラソンを見に行ったら、一般の人たちも気持ちよさそうに走っている。自分もやってみると、意外に走れて、フルマラソンにも挑戦するようになりました。

そして2017年の大阪マラソンで、3時間53分の自己記録を出すことができました。当時61歳です。やればできるんですね。中高時代にスキー部で鍛えたことが走力につながっているかもしれません。ちなみに、シューズはずっとアシックスです。これは本当に偶然ですが(笑)。

振り返ると、バンド活動にしても部活にしても中途半端で、華々しい成果を上げたわけではありません。ただ、個性的な同級生たちと日々接する中で、自分も何かやりたいという意欲が芽生え、一歩踏み出す勇気を得られたような気がします。三菱商事に入ったときも、周りは優秀な人ばかりだなあと感じましたが、自分なりに自信を持って社会人生活をスタートできたと思います。

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