アシックス社長、東海高で得た「一歩踏み出す勇気」広田康人・アシックス社長COOが語る(下)

広田康人・アシックス社長COO
広田康人・アシックス社長COO

アシックスの広田康人社長COO(最高執行責任者)は新卒で入社した三菱商事時代、43歳で広報部長に抜てき。多岐にわたる同社の事業に精通し、迅速な対応でメディアや投資家から信頼を得た。軽妙な話術と相まって広げた人脈がアシックスへの転身につながったが、意外にも小さい頃は内向的だったという。東海中学・高校(名古屋市)で多様な人材にもまれた経験が、社交性や調整力を身に付ける基礎になったと語る。

中学では優秀な生徒の多さに驚く。

前回の記事(本の虫が世界へ目開いた アシックス社長の東海高時代)で、小学校ではそこそこの成績だったと言いましたが、東海中学に入学するとそんな自信は吹き飛びました。世の中にはアタマのいいやつがいるもんだなあと、子供心に思った記憶があります。

裕福な生徒が多いことにもびっくりしました。東海高校は医学部への進学率が高いのですが、それは親が医者の生徒が多いからという理由もあると思います。彼らは目指す水準が高いですから、学習意欲も旺盛でした。

勉強だけではありません。とんがった、個性的な生徒も多かった。昆虫にやたらと詳しいやつとか、星のことばかり勉強するやつとか。個性を尊重する自由な雰囲気は伝統なんでしょうね。卒業生も多士済々です。哲学者の梅原猛さん、建築家の黒川紀章さん、私の一つ上には作家の大沢在昌さんがいました。最近では「今でしょ!」で有名な塾講師の林修さん、メルカリを創業した山田進太郎さんらでしょうか。

私はもともと、おとなしい性格。個性豊かな同級生たちに圧倒されたこともあり、中学時代は目立たない存在だったと思います。積極的な性格に変わったのは高校に上がってからですね。1年生の担任だった宮崎宏一先生と出会い、本を読むことの面白さに目覚め、そこからいろいろな分野に興味が広がっていきました。

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