老後資産形成を自らデザインする時代 DCは強い味方企業・個人年金をマネーハック(4)

しかし、任意で加入する制度が中小企業の会社員にも用意され、誰でも老後に備えることができる環境が整備されているわけです。

転職が当たり前の時代、多様な資産形成をサポート

転職が当たり前の時代になりました。内閣府に設置された未来投資会議の資料によれば、転職者数は毎年300万人を超えており、一度も転職をせず終身雇用コースを歩んでいる人は40歳代前半でもはや4割を切っているそうです。

終身雇用はもはや過去のものとなりました。こうした時代に「一つの会社が運営しポータビリティーのない企業年金」だけを老後の支えとすることは個人にとって難しくなっています。

今の時代は、転職を重ねたり一時期は休職する時間があったりする、多様性のある生き方を当たり前に受け入れる時代になりつつあります。そうした多様な変化を老後資産形成制度でもサポートしていくことが求められています。DCがあなたの強い味方になってくれるでしょう。

ハブ空港が航空便の乗り換えを円滑にしてくれるように、DCとNISAがもっとポータビリティーの高い制度となり、老後資産形成の担い手となれば理想的でしょう。

iDeCoの限度額は働き方によって複雑に条件分岐しており、NISAと併存していることもわかりにくいとの指摘もあります。政府の税制改正大綱などでもシンプルで分かりやすいものに変えていくべきだという議論があります。

厚生労働省の社会保障審議会「企業年金・個人年金部会」の議論も本格的にスタートし、今後の動向が注目されます。私も真剣にこの問題を考えていきたいと思います。

個人にとっては自分の老後資産形成を、一人ひとりが自分でデザインし管理していく時代がやってきました。ぜひ、大きな流れに乗り遅れず、自分の加入している制度をしっかり理解し、老後の安心を自ら確立してください。

マネーハックとは ハックは「術」の意味で、「マネー」と「ライフハック」を合わせた造語。ライフハックはIT(情報技術)スキルを使って仕事を効率よくこなすちょっとしたコツを指し、2004年に米国のテクニカルライターが考案した言葉とされる。マネーハックはライフハックの手法を、マネーの世界に応用して人生を豊かにしようというノウハウや知恵のこと。
山崎俊輔
フィナンシャル・ウィズダム代表。AFP、消費生活アドバイザー。1972年生まれ。中央大学法学部卒。企業年金研究所、FP総研を経て独立。退職金・企業年金制度と投資教育が専門。著書に「読んだら必ず『もっと早く教えてくれよ』と叫ぶお金の増やし方」(日経BP)、「共働き夫婦 お金の教科書」(プレジデント社)など。http://financialwisdom.jp
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