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根付くか「子連れ出勤」、選択肢の一つとして柔軟に

なぜ息苦しい? 日本の「仕事と子育て」両立(6)

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NIKKEI STYLE

「子連れ出勤」。今年初めに宮腰光寛少子化担当大臣が「赤ちゃんはお母さんと一緒にいるのが何より大切」と子連れ出勤を奨励する発言をした際、どちらかというと否定的意見が多く見られた印象を受けた。

とはいえ、子連れ出勤を認める企業は少しずつ増えているようだ。筆者のコミュニティーで子連れ出勤について聞いてみた。

子連れ出勤って、そもそもどうなの?

子連れ出勤についての関心は高く、働くママ・パパからたくさんのメッセージが寄せられた。

「(子連れ出勤を認めている)組織に属していたとき、実際には子連れ出勤をよく思わない人や、逆に子連れ出勤できることに甘えている人もいました」

「職場に連れて行くと、ハイハイをさせられず、ずっとおんぶや抱っこをするなど親の都合で活動制限を加えなければならない。赤子が自分の意思を発揮できる環境でないと、子連れ出勤は親子両者にストレスがたまるため、安易な子連れ出勤には賛同できません」

疑問を呈する人が多い一方で、メリットを実際に感じている人も。

「子連れ出勤&子連れ出張のよさは、子どもと過ごす時間が確保できること、母乳育児ができること、子どもの体調管理を親としてケアできること、子どもが自然に仕事への理解をしてくれる、母と子の体力と精神力が培われる」

勤務先で子連れ出勤を実施している人からの具体的なコメントもあった。

「当社は子連れ出勤も、預けて働くことも、年齢によって分けて推奨しています。0歳児ではい回る前であれば基本寝てますし、親に密着させておけば親子ともに安心でストレスもあまりありません。小学生以上であれば、頑張る親の姿や大人に接することが社会勉強にもなり、基本はおすすめです。ただし、未就園児の多くや、一部は小学生においても親がかまってくれない、自分が一番でないことが我慢できない時期や個性はあります。その場合は預けられるほうが親子ともに幸せです。選択肢は広く設け、推奨基準を明確にするのが現実的だと思います」

子連れ出勤は「常識を疑うための手段」

そこで、子連れ出勤を実施しているモーハウス代表の光畑由佳さんにお話を伺った。モーハウスは授乳服のメーカーだ。光畑さん自身が乳児を連れて電車に乗ったときに泣かれて困った経験が、同社の事業につながっている。

「子連れ出勤は、常識を疑うための手段なんです」と光畑さんは言う。いったいどういうことか。

「子どもが小さいときはママが一緒にいるべき、仕事に子どもは連れていけない、といった既成概念があるけれど、そこを『一緒にやっちゃえばいいんじゃない!』というのが、最初に始めたときの考え方でした」

つまり、「子どもが生まれたら、ママとして子育てをしなくてはならない」「保育園に入れなかったら仕事をやめなくちゃならない」という考え方の枠を取っ払ってもいいんじゃないかというのが、光畑さんの発想だ。

「自分自身、以前のアグネス論争(歌手のアグネス・チャンさんが仕事場に赤ちゃんを連れて行ったことで賛否両論があった)では、子連れで働くなんて周りに気を使わなさ過ぎでは、って思っていたくらいです。でも自分に子どもが生まれてみると、子どもの泣き声を周囲に聞かせちゃいけない、子どもがいることを職場に感じさせてはいけない……と、とても息苦しさを感じました。その後、授乳服の会社を立ち上げ、『子育ても仕事も一緒にやっちゃえばいいんじゃない!』と思ったのが子連れ出勤のスタートです」

子連れ出勤は保育園の代替ではなく、「あくまで、多様な働き方の選択肢の一つ」なのだという。

子どもがいる環境としてどうか、周囲への迷惑は?

反対意見によくある2つの大きな理由が、「子どもがいる環境として職場がどうなのか」「同僚に迷惑が掛からないか」ということだ。

子どもの居場所としてどうかという点について光畑さんはこう話す。

「会社には、保育(所)としての視点はありません。子どもが機嫌よく落ち着いて過ごせる雰囲気であるかどうかということですね」

ベビーベッドはあるものの、子連れ出勤用に何か設備を整えているというわけではない。「今ある環境で子連れ出勤が可能か、という視点は大事だと思います。自宅と全く同じというわけにはいかないでしょうから」

モーハウスでは、1歳前後の乳児を子連れ出勤の目安にしているということだ。かといって、その月齢を少しでも過ぎたらNGではなく、もっと大きい子を連れてくるケースもあるそうだ。

同社の場合、子連れ出勤しているのは、短時間勤務で週に数日働いている社員とのこと。勤務の間は、赤ちゃんを抱っこしたままパソコンに向かったり、会議をしたり、接客するという感じだ。赤ちゃんのタイミングに合わせて授乳も随時行う。

「子どもが居心地よく過ごすためには、子どもの要求にこたえることが大事」と光畑さん。そのために、会社に来る前にしっかり遊ばせてくるので、仕事中にぐずったり泣き続けるケースはほとんどないそうだ。大きい子は、宿題を持ってくることもあるとのこと。

周囲の環境として、やはり同僚の理解は必要不可欠だ。モーハウスの場合は、授乳服を売っていること、社員が女性ばかりである点は子連れ出勤がしやすい大きな要素だろう。

職場で働く人には子どもを持たない人、子どもが欲しかったけれど授からなかった人などもいる。子どもがいることで仕事に集中できないというケースもあるかもしれない。メンバーの意向を確認して、同意が得られたうえで実施するプロセスは欠かせない。

そうしたことを踏まえてもなお、やってみる価値はあるという。

「(モーハウスのショップがある)青山で、子連れで働いている人がいるなら、私も何かできるかもしれないと考える人もいると思う。仕事じゃなくても、ボランティアでもサークル活動でもいい。そんな考え方のきっかけになれば」(光畑さん)

◇  ◇  ◇

筆者が以前、スウェーデンに取材に行ったときに、カフェで打ち合わせをするパパ(32歳)に突撃取材したことがある。育休中のそのパパは、1歳2カ月のお子さん連れで仕事の打ち合わせをしていた。ママが8カ月の育休を取ったあと、バトンタッチして、そのときはパパが6カ月の育休中とのこと。「今日はプロジェクトの打ち合わせだよ」と言っていた。

育休中だから一切働かない、子どもを絶対に連れていけない職場環境であるなど、どうしても難しい時期や職種はあるかもしれないが、働き方自体が多様化していく中、選択肢の1つとしてゆるやかに考えるのは大いにありだと思った。さらに子連れ出勤を働くママだけでなく、ママでもパパでも選択できることが大切だ。

最初から「こうあるべき」にとらわれすぎないことも、子育てしながら心地よく働くことにつながるのではないだろうか。

高祖常子
子育てアドバイザー、育児情報誌miku編集長。資格は保育士、幼稚園教諭2種ほか。リクルートで学校・企業情報誌の編集に携わり、妊娠・出産を機にフリーに。NPO法人ファザーリング・ジャパン理事ほか。著書は「感情的にならない子育て」(かんき出版)ほか。3児の母。

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