オリパラ

2020年から見える未来

点字ブロックもITで進化 スマホと交信、道順教える

2019/4/4 日経MJ

視覚障害者からは「点字ブロックだけでは目的地にたどり着けない」との声も聞かれる(写真はイメージ)=PIXTA

博報堂グループのホワイト(東京・港)と一般社団法人のPLAYERSは視覚障害者向けの道案内システムを開発した。点字ブロックにビーコン(電波受発信器)を埋め込んで位置を把握しながら、LINEの人工知能(AI)スピーカーで案内する。自治体や企業と連携しながら野外での活動を支援する。

「VIBLO by &HAND」はクラウドをベースにしたシステムだ。まず街中や施設内にビーコンを埋め込んだ点字ブロックを配置する。視覚障害者が近づくと、居場所を把握することができる。

外出した時などにどの方向に向かうべきかを教えるためには、まず、LINEのAIスピーカー「クローバ」に目的地を伝え、出発地から目的地までの道順について登録する。道順はスマートフォン(スマホ)アプリのLINEで文字情報としても文字が判読できる人向けに通知するほか、ソニーモバイルコミュニケーションズのイヤホン型機器「エクスペリア イヤー デュオ」を使って音声で案内する。

同機器は耳の穴はふさぎきらない設定のため、周辺音を遮断せずに音声を聞き取ることができるという。

出発地から送り出し、目的地で待っている家族や友人らが、AIスピーカーを使って視覚障害者の現在地を問い合わせることもできる。道を間違えたりトラブルが起きたりしたときに、LINEのビデオ通話機能を使って手助けすることも可能だ。

点字ブロックの国際規格は日本の日本工業規格(JIS)を基に定められている。日本では各自治体の条例に基づき整備が進んでいる。ただ、視覚障害者からは「点字ブロックだけでは目的地にたどり着けない」との声も聞かれる。

ビーコンを活用することで、視覚障害者の移動を支援するインフラとしての機能を高めたい考えだ。

厚生労働省によると身体障害者手帳を持つ視覚障害者は31万2000人(2016年)。視覚障害者の多くは、一人で外出することに不安や困難を抱えており、外出をあきらめてしまうこともある。

20年には東京パラリンピックも控えている。ホワイトなどは安心して外出できる環境を整えたい考えだ。

[日経MJ2019年3月18日付]

オリパラ 新着記事

ALL CHANNEL