年金、共働きならいくら増える?65歳まで就労+繰り下げで月40万円も

写真はイメージ=PIXTA
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人生100年時代の最大の支えは終身でもらい続けられる公的年金。しかし4月からの年金額の伸びは賃金・物価上昇率を下回る。年金財政健全化のため伸び率を抑制する「マクロ経済スライド」が4年ぶりに発動されたためだ。今後も同様の状況が続く可能性が高まる中、少しでも年金を増やすには何が大切なのか。

マクロ経済スライド、4年ぶり発動

厚生労働省が想定するモデル世帯(会社員で40年働いた夫と専業主婦)の年金額は今年4月から22万1500円と前年度比0.1%増える。なぜこの増加率になったのか(図A)。

年金額の計算は二段階。まず物価・賃金の伸びを反映した「ベースの改定率」を計算する。その際、賃金が物価の伸びを下回る場合は賃金を使う。今回は物価の伸び(1.0%)より賃金の伸び(0.6%)が小さかったので、ベースの改定率は0.6%だった。

次に平均余命の延び(定率でマイナス0.3%)と現役世代の年金加入者の増減を反映し、一定の調整率で年金額を抑制する。これがマクロ経済スライドだ。現役加入者が0.1%増え、平均余命との差し引きにより調整率はマイナス0.2%となった。

年金額が大きく減らないようマクロ経済スライドはベース改定率がプラスの時しか発動しない決まりだ。発動できなかった分は翌年度に繰り越す制度を18年度から導入。その分(マイナス0.3%)が19年度に反映され、最終的にプラス0.1%の改定になった。

マクロ経済スライドが導入された04年度以降、実際に発動されたのは、消費税率上げで前年の物価が上昇した15年度を除くと、これまでなかった。デフレの状況が長く続いたからだ。

今回は消費増税の影響がない通常の経済状況の下では初めての発動となる。物価・賃金が下がり続ける状況が終わり、マクロ経済スライドが継続的に発動される環境に変わりつつある可能性がある。

マクロ経済スライドは年金財政の健全化に不可欠。とはいえ発動が続けば、現役世代の手取り額に比べた年金額の割合を示す「所得代替率」は、現在の6割強から将来は5割程度まで下がる。将来の年金を不安視する人も多い。

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