リュックの最新トレンドは薄マチ×革 ビジネスに対応
両手が使える気軽さと、高い収納力で人気のリュックは、ビジネスシーンにマッチする薄マチの革製がトレンド。ナイロン製は多機能化が進む。5人のプロが優秀カバンを厳選した。
「フォーマル派」と「多機能派」で二極化
総務省が推し進めるスニーカー通勤の波に乗り一気に市民権を得たビジネスリュック。ブームが加速するなか、ビジネスシーンで使いやすい「フォーマル派」と収納力を生かした「多機能派」の二極化が進む。
取引先に出向く場面でも違和感なく使えるのが、A4サイズ対応でマチ幅55mmの薄マチタイプ、トライオン「ドキュメント バックパック」だ。収納はシンプルな作りだが、内部はサブポケットやペンホルダーを備える。
野球グラブの革をバッグ用に加工したオリジナルレザーを採用。薄マチと革製の「合わせ技」は、フォーマル感がありスーツによくなじむ。満員電車内でも邪魔にならないため、ビジネスパーソンの新定番として注目が集まる。サイズは幅300×高さ400mm。
光沢のあるナイロンを使い本革に迫る高級感を演出したのは、マチ幅100mmのエース「No.55533」だ。B4サイズに対応したメインの収納部には、横からもアクセスしやすいファスナーを備え、サイドからも出し入れができ、利便性も高い。トップには眼鏡などの入る収納を設置。B4サイズ対応のため、15インチのPCも収納できる。サイズは幅300×高さ420mm。
掘り出し物はサイドにも持ち手がある薄マチリュックのサムソナイト「SUB─ZERO 2WAY BAGS S」。ストラップを簡易的に収納するスリーブを備えており、手間なく2WAYの切り替えが可能で、ブリーフケースへと「変身」する技ありの逸品。客先へ出向く際などに活躍しそうだ。「光沢あるポリエステル素材がスーツになじみ生地も傷めない工夫も」(三越伊勢丹・バッグ&ラゲッジ セールスマネージャーの関龍太氏)。サイズは幅270×高さ400mm。
(注)サムソナイト「SUB-ZERO 2WAY BAGS S」は伊勢丹新宿店メンズ館の限定商品
一方で、リュックならではの収納力を使いやすく進化させたものもある。ブリーフィング「バーティカルパック MW WP」やエース「No.62011」は、上から荷物を一覧できる独特な開口部を備える。荷物を確認しやすく便利だ。エンゲージメント「EGBP─004」は、ガジェット類を小分けにするポケットや、デッドスペースになりがちなメイン収納の上部にペンホルダーを設けるなど工夫が光った。
●上からメイン収納を一望できる
真上からメイン収納にアクセスしやすい独特な開口部が特徴。防水素材を使用。上部にスマートフォン用ポケットを備え、サイドにあるポケットは背負ったまま荷物を出し入れできる。サイズは幅320×高さ430mm。
●肩への荷重を分散し、移動の快適さをアップ
ファスナーを下ろすと上部が手前に倒れ、上から荷物を確認しやすい開き方が特徴。棚上げに便利なアシストハンドルも便利。「使いやすさ、収納などを備えた推奨品」(そごう・西武商品部 ファッション担当の小俣豊氏)。サイズは幅300×高さ420mm。
●止水ファスナーで貴重品を水から守る
外からの水の浸入を防ぐ、止水ファスナーを前面のポケットに採用しており、収納したスマホや貴重品などを水から守る。13Lの容量を確保しながら、880gと軽い。素材は耐久、耐水、軽量を備えたオリジナルナイロン。ストラップを簡単に伸縮できる機構で、即座に本体を体の前側に移動できる。サイズは幅280×高さ430mm。
●ナイロンとスエードを使用、異素材ミックスの高級感
軽くて頑丈なNCヘリンボン主体のナイロンとスエードを組み合わせており、「異素材を組み合わせることで高級感が出る」(東急ハンズの児玉義也氏)。サイドに持ち手を備える。サイズは幅270×高さ400mm。
●雨や水に強い素材だけでバッグを製作
本体にはテフロン撥水加工を施す太うねのポリエステルツイル製。はっ水加工のメインファスナーなど雨や水に強い素材で作ったB4ビジネスリュック。サイズは幅300×高さ420mm。
大山旬氏(スタイリスト) テレビなどメディア出演が豊富な男性専門のスタイリスト。著作は累計で10万部を超える
土田拓郎氏(スタイリスト) 13年よりファッションスタイリストとして活動を開始。ビジネスカバンへの造詣も深い
児玉義也氏(東急ハンズ・フロアスタッフ) 東急ハンズ新宿店2階にあるバッグ売り場を担当。機能性を重視した目線でバッグを選ぶ
関龍太氏(三越伊勢丹・バッグ&ラゲッジ セールスマネージャー) 伊勢丹新宿店メンズ館の紳士鞄売り場を担当。今春のリニューアルに合わせブランドを刷新
小俣豊氏(そごう・西武商品部 ファッション担当) そごう、西武各店の紳士カバン、雑貨売場をマーチャンダイジングする
(文 大石七里、写真 小西範和)
[日経トレンディ2019年4月号の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。