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「お袋の味」定食楽しむ100年超の老舗 東京・駒場

2019/3/25
「菱田屋」の「特大あなごフライ定食」
「菱田屋」の「特大あなごフライ定食」

東京大学駒場地区キャンパスの最寄り駅・京王井の頭線の駒場東大前駅から徒歩数分。閑静な住宅街にありながら、1日約300人が訪れ、行列ができる人気の定食店「菱田屋」。ボリューム満点の定食を、リーズナブルな価格で味わえると評判だ。

Summary
1.東京大学御用達の仕出し専門店から定食屋へ
2.中国料理店で修業した5代目が加わりメニューが多彩に
3.「おふくろの味」がコンセプト。良質な素材選びと手づくりの味

創業は明治時代に遡り、この地で100年以上の歴史をもつ老舗である。現在は中国料理の名店で修業した5代目の菱田アキラさん・優子さん夫妻が中心となり、店をもり立てている。

東大駒場キャンパスの近くに立地する

――まずは「菱田屋」の歴史を教えてください。

菱田:「明治時代の頃、東京大学の教授たちに向けた仕出し弁当店として営業していたのがはじまりといわれています。明治の頃というだけで詳しい資料は残っていないのですが、現在の場所で100年以上続いていると伝えられています」

菱田:「最初は東大の中だけに向けてやっていて、次第に弁当だけでなく、おでんやあんみつ、ラーメン、甘酒なども販売するようになりました。その後、義父(4代目の憲昭さん)の代に刺し身などを販売し始めて、私が店に入ってからは、中華の要素も加えて、いまは何でも屋です」

5代目の菱田アキラさん

――現在、お客さんは、どんな方が多いですか?

菱田:「大学院生が多いですね。それから仕事帰りの人。最近はご近所の年配の方が1人で来たり、週末は家族連れで客席が埋まることもあります。一昨年に出版した本の影響もあってか、遠方からわざわざ食べに来てくれる人もいます。営業時間が長いので、うちはランチよりも平日の夜のお客様が多いんですよ。とはいえ、夜も落ち着いて飲む雰囲気ではないので、定食をメインに召し上がる方がほとんど。お酒を飲む人もビールを1杯程度飲んで、定食を食べて帰る感じです」

――アキラさんは、もとは中国料理の修業をしていたのですね。

菱田:「最初はすし職人を目指してすし店で修業していたのですが、当時はなかなか握らせてもらえなくて。すぐに仕事をさせてくれる中国料理に転向したところ、面白くてのめり込んでしまったんです。渋谷の『文琳』で5年間修業しましたが、その間に妻と出会い、27歳のときに婿養子として『菱田屋』に入りました。当時の菱田屋は2つの店に分かれていて、昼は定食、夜は隣でスナックを経営していましたが、2002年に改装して一続きの店にしました。それまでは外から店内が見えなかった店をガラス張りにしたので、最初は常連さんに『落ち着かない』と嫌がられましたね。最近はみんな慣れてきて、何も言われなくなりました」

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