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20歳の国民年金未納にご用心 学生は納付猶予も可能 大学生のためのマネー講座(5)

ファイナンシャル・プランナー 竹下さくら

2019/4/3

■「国民年金保険料」を親に払ってもらうという選択

とはいえ、就職活動中は思うようにアルバイトができないことが予想されますし、卒論の合間で手に入れたアルバイト料は、日々の生活費のほか、卒業旅行やサークル活動などに優先的に充てられて、下手をすると学生時代から滞納してしまう危険性もありそうです。

実際に図表2を見ると、必要のある期間にまったく納付していない「1号期間滞納者」が9.1%もいて人ごとではありません。そんな中、一度検討してみてほしいのが、学生の間の保険料を払ってもらうよう親と交渉することです。実は、子どもの国民年金保険料を支払うと親の所得税・住民税が安くなるメリットがあるのです。

たとえば所得税率が20%の親であれば、年間約20万円×0.2=約4万円の所得税が減り、翌年の住民税が約2万円、合計で約6万円の節税効果があります。親と子が同居しているケースに限らず、親もとを離れて一人暮らししているケースでも生活費や授業料などを仕送りしている状況なら節税効果が得られます。

20~30代のマネー相談に乗っているファイナンシャル・プランナーの立場からいえば「奨学金返済で貯蓄するゆとりもない」「新卒で就職したばかりでは生活費だけで手いっぱい」で「学生納付特例制度」の追納分の工面まではとても無理な印象があります。

それならば、成人式のお祝いや卒業祝いで追納してみるなどの工夫もありだと思うのです。「人生100年時代」といわれているので、学生時代の2年間の保険料(約40万円)は、140万円分(100歳-年金支給開始年齢65歳)の年金になることも。今の日本でこれほど高利回りな「老後資金」づくりの金融商品は見当たらないことを最後に伝えておきます。

※この連載は今回で終了します。

竹下さくら(たけした・さくら)
兵庫県神戸市生まれ。慶応義塾大学商学部卒。損害保険会社、生命保険会社を経て1998年にFPとして独立。現在に至る。ファイナンシャル・プランナー(CFP)、1級ファイナンシャルプランニング技能士。千葉商科大学大学院MBA課程(会計ファイナンス研究科)客員教授。2児の母。主な著書に「『教育費をどうしようかな』と思ったときにまず読む本」(日本経済新聞出版社)、「奨学金を借りる前にゼッタイ読んでおく本」(青春出版社)。

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