20歳の国民年金未納にご用心 学生は納付猶予も可能大学生のためのマネー講座(5)

ファイナンシャル・プランナー 竹下さくら

ファイナンシャル・プランナー 竹下さくら
2019/4/3
国民年金は「老後のため」だけではない。写真はイメージ=PIXTA
国民年金は「老後のため」だけではない。写真はイメージ=PIXTA

もうすぐ20歳を迎える人のもとには、誕生日の少し前に「国民年金加入のご案内」という封書が届きます。淡いグレーの封筒の下方には「20歳になったら、国民年金に加入することが必要ですので加入のお届けをすみやかにお願いします!」という青い文字。封筒の左上には「大切なお知らせ」と赤く印字されています。

これまでみなさんが受け取ってきた郵便物は、企業や団体などが差出人のときはたいてい親との連名で送られてきていました。未成年のときはもしものときの責任を親が取ることになっていたからで、手続きもれを防ぐためです。けれどもこの封書は日本年金機構というところからみなさん宛てに、親の連名無しに届きます。一人の大人としてちゃんと手続きすることを求められます。その期限はわずかに2週間! 誕生日の前から数えて14日以内なので、あまり時間はありません。

その上、中身を見るとなじみがない言葉がいっぱいで、何から手を付けていいかわからない、という人も少なくないようです。

今回は、学生のみなさんが取れる選択肢について、メリットと留意点をお伝えします。

一番やってはいけない“ほったらかし”

年金と聞くと老後にもらうものという印象がありますが、実は学生にとっても大切な制度です。3点セットの保障でできていて、老後に受け取る「老齢年金」のほか万一のときには若くても「障害年金」「遺族年金」が受け取れるからです。

よく、払った保険料に対してもらえる年金が損とか得といった話を聞きますが、「老齢年金」の受取額に対してだけの計算に偏りがちです。交通事故などで障害状態になったときには「障害年金」が数十年にわたって受け取れたり、学生結婚で子どもができた後に亡くなると「遺族年金」も出たりします。これほどの保障を国民年金保険料と同額で得られるプランは、民間保険会社の商品では見当たりません。この点は知っておいてほしいところです。

さて、「国民年金加入のご案内」の封書を受け取った後、何も手続きせずほったらかしにしていると、保険料が未納の扱いになってしまいます。ということは「老齢年金」の年金額に反映されないだけでなく、「障害年金」「遺族年金」の対象にもならない危険性があります。図表1には「未納」のケースを含めて、納入方法を選択したときに差が出る受給資格についてまとめましたので参考にしてください。

受給資格について、具体的な例で説明しましょう。社会に出た後も含め、今後もし精神疾患と診断されると「障害年金」を受け取れる可能性があります。目や腎臓の疾患など非常に長い年月をかけて悪くなっていく傷病もあります。いずれも最初に病院へ行った初診日が学生時代だったと判明し、それまでに保険料を払っていない期間があったために障害年金をもらえなかったといったケースが後を絶ちません。

保険料が払えないときは、ほっといて未納にするのではなく「学生納付特例制度」の手続きをしましょう。学生時代の保険料は払わなくてよいうえに「障害年金」「遺族年金」の保障はゲットできる制度だからです。ただし保険料の納付の仕方によって受給条件などが変わってくる点には注意が必要です(図表1参照)。

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