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総革なのに軽いブリーフケース 目利き5人が選ぶのは

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日経トレンディ

スマホやタブレットの進化は、カバンの中身までも変えた。ここ数年、ペーパーレス化やキャッシュレス化が進み、荷物の総量が激減。機能がガジェットに集約されたことで、毎日持ち歩く荷物の薄型化・固定化が起こっている。3WAY、ブリーフケース、リュックに分け、5人のプロが優秀カバンを厳選した。昨日の「新作続々の3WAYバッグ 大容量で1キロ切る製品も」に引き続き、ブリーフケースを紹介する。

総革なのに軽量級

スーツスタイルになじむブリーフケースは、ミニマルな商品が主流に。重いイメージのあった総革モデルにも軽量な「革新」派が登場している。

手持ち故に大荷物の持ち運びには向かないブリーフケースは、無駄な収納を省いたコンパクトな仕様へと進化。「重くて使いづらいは昔の話。革なのに軽い「革新的」なカバンが続々登場している」(スタイリスト・大山旬氏)。

代表格は「A4ジャストブリーフ」と呼ばれ、幅400×高さ290mmと小型化を追求したフジタカ「No.24502」だ。 天然皮革に近い繊維と風合いをもつ人工皮革をクラレと共同開発した。「天然レザーのような繊維構造を持つ新開発の人工皮革を使い、810gと軽い。撥水加工によって雨にも強い」(三越伊勢丹・バッグ&ラゲッジ セールスマネージャーの関龍太氏)。

「耐傷性も備えているので長く使える」(関氏)。ぬれても形崩れが起こりにくいなど、革製品の弱点をカバー。ボトムにはパイピイングが施されており、薄くてもしっかり自立するのも便利だ。サイズは幅400×高さ290mm。

野球グラブなどを製造するトライオンが長年の経験を生かし、グラブレザーで仕上げたブリーフケース、「SA113」はマチ幅50mmだが収納力と軽さを両立している。革製ながら本体は約710gと軽いうえ、メイン収納はB4用紙まで入る広さを備え、15インチPCもしっかり収まる。「軽いため機動力に優れ、スリムなデザインがスーツスタイルを引き立てる」(大山氏)。サイズは幅420×高さ300mm。

チマブエ グレースフルの「エメリー ブリーフケース」は、2層式の大容量でマチ幅も130mmだが、何と重さは1190g。「日本製ならではのこまやかさと革の質感の良さが受けて、売り場でも手に取る人が増えている。出張にも適し容量と収納のしやすさがポイント」(そごう・西武商品部 ファッション担当の小俣豊氏)という大容量タイプ。メインの収納が2層構造になっているので、仕事とプライベートなど、カテゴリー別に振り分け収納もできる。内側には、入れたものを探しやすいカモフラ柄の生地を採用。サイズは幅410×高さ300mm。

A4ジャストサイズの商品は、無駄な機能を排しているためコスパもいい。ECのみに販路を絞ることで、革製ながら1万円台で買える薄マチタイプがグリーンレーベル リクラシング「SAFFIANO レザー シングル ブリーフバッグ」だ。マチ幅が48mmと薄く、最小限のものしか入れないシンプルなカバンを探している場合は有力な選択肢となる。「牛革の型押し素材を使用し、チープさは一切ない。傷が付きにくいのも魅力だ」(大山氏)。サイズは幅352×高さ247mm。

●750gまで軽量化された大容量カバン

A4サイズながらマチ幅が広く、13Lの容量がある。ポリエステル製のため750gと軽い。7つのポケットを備え、日常から出張までカバーする。メランジェ調生地のため、ビジネスシーンでも違和感がない。サイズは幅410×高さ300mm。

●独自の加工技術で雨にも傷にも強い

キャンバス地にウレタンフィルムをラミネート加工し高級感と耐久性を両立。「雨や傷に強く、見た目より軽く薄い」(スタイリストの土田拓郎氏)。サイズは幅420×高さ290mm。

●長い持ち手でトートにもなる

変色が少なくメンテナンスも手軽な牛革を使用し、B4対応の大容量が魅力。「ハンドルが長く肩掛けできるためオフでも活躍する」(大山氏)。スマホを出し入れしやすい、ファスナーなしの差し込みポケットを備える。サイズは幅410×高さ320mm。

大山氏は「ビジネスシーンでは、シンプルで美しいデザインのカバンが必要になるケースも少なくない。革製のブリーフは1つ持っておいて損はない」という。

■選んだのはこの5人

大山旬氏(スタイリスト) テレビなどメディア出演が豊富な男性専門のスタイリスト。著作は累計で10万部を超える

土田拓郎氏(スタイリスト) 13年よりファッションスタイリストとして活動を開始。ビジネスカバンへの造詣も深い

児玉義也氏(東急ハンズ・フロアスタッフ) 東急ハンズ新宿店2階にあるバッグ売り場を担当。機能性を重視した目線でバッグを選ぶ

関龍太氏(三越伊勢丹・バッグ&ラゲッジ セールスマネージャー) 伊勢丹新宿店メンズ館の紳士鞄売り場を担当。今春のリニューアルに合わせブランドを刷新

小俣豊氏(そごう・西武商品部 ファッション担当) そごう、西武各店の紳士カバン、雑貨売場をマーチャンダイジングする

(文 大石七里、写真 小西範和)

[日経トレンディ2019年4月号の記事を再構成]

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