新作続々の3WAYバッグ 大容量で1キロ切る製品も
スマホやタブレットの進化は、カバンの中身までも変えた。ここ数年、ペーパーレス化やキャッシュレス化が進み、荷物の総量が激減。機能がガジェットに集約されたことで、毎日持ち歩く荷物の薄型化・固定化が起こっている。フリーアドレスなど働き方の変化も著しく、もはやカバンの選び方のアップデートは欠かせない。3WAY、ブリーフケース、リュック、出張用に分け、5人のプロが優秀カバンを厳選した。今日は、3WAYのバッグを紹介する。
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新時代のカバンを象徴するキーワードはずばり「ミニマル」。本当に必要な荷物だけを使いやすい状態で運び、仕事を効率化するのが理想だ。
今のトレンドは1つの大きな収納ではなく、空間が機能的に区切られた「下地」を用意することがポイント。そこにシンプルなルールを適用するだけで、片づけの得手不得手にかかわらず、誰でも整理整頓を実践できる。
カバンのデザイン面にも革命が起きている。軽くて丈夫なナイロン製ブームが起こっているが、ビジネスシーンでは行き過ぎたカジュアル化はご法度。2019年は、ビジネスとカジュアルのバランスをうまく取った「ビジュアル系」ともいうべき商品が台頭しつつある。
3WAYは新作続々の激戦区
リュックが市民権を得たことで、ブリーフと両用できる3WAY需要が急増。性能が進化し、タテでもヨコでも快適に持てるモデルも出現。
カバンを背負うビジネスパーソンが急増し、各ブランドが最も力を入れているのが3WAYだ。多パーツ故の重量や、タテ・ヨコの使い分けが難しいといった、デメリットを解消した「新種」が続々登場している。
なかでもマンハッタンパッセージ「#3313」は、マチ幅165mmと大容量にもかかわらず、990gという軽さを誇る画期的な一品。フレーム材には復元力の高い素材を採用し、四角型を保つことができるのも魅力だ。
表面には特殊素材を使用し、雨に強い。「B4サイズにもかかわらず軽量。必要な機能もすべてそろう」(東急ハンズ・児玉義也氏)。容量は16.5Lあり、サイズは幅410×高さ310mm。
客先などでTPOを気にする人は、薄マチ化と素材の工夫で、軽さと高級感を両立したマスターピース「デンシティ 3WAYブリーフケース」が選択肢の一つ。「背負ったときでもカジュアル感が薄く、スーツでも使いやすい」(児玉氏)。
総革は高級感がある一方で、重くなってしまう。そこで2種類の光沢を持つナイロンと、レザー、スエードを使うことで、「この価格帯では別格の高級感を持つ」(スタイリストの大山旬氏)。サイズは幅410×高さ280mm。
タテ・ヨコどちらからも取り出せるように、メイン収納部を囲うファスナーが「コの字」に開くのが、「BYコーデュラ 3WAY ブリーフバッグ」と「アセンド3ウェイ」「シャトル3WAYデイパック」だ。サブポケットが「L字」に開くのも共通の特徴だ。
●PCとタブレットの2台収納、専用ポケットが充実
フロントのツインポケットは手帳や財布、文具類がしっかり収まる大容量。PCとタブレットの専用収納部を別々に用意。容量は21Lと十分。サイズは幅410×高さ280mm。
●用途を示したアイコンで整理しやすい
PC、タブレット、書類を収納できる専用ポケットを備え、それぞれに用途がわかる整理用のアイコンがある。ロゴが目立たないため、ビジネスシーンに向く。サイズは幅445×高さ310mm。
●すぐにアクセスできる技ありミニポケットが便利
リュック主体の3WAYタイプ。メイン収納は2室構成で、上部の貴重品用ポケットやサイドのペットボトルホルダーなど、アクセスしやすい収納が多い。頑丈な素材ながら900gと軽い。幅305 × 高さ460mm。
●A3サイズで短期出張でも活躍
はっ水機能を持つコーデュラナイロンを採用。A3サイズながら、メインの収納部分が大きく開くため、中身の出し入れがしやすいのが魅力だ。サイズは幅465×高さ332mm。
大山旬氏(スタイリスト) テレビなどメディア出演が豊富な男性専門のスタイリスト。著作は累計で10万部を超える
土田拓郎氏(スタイリスト) 13年よりファッションスタイリストとして活動を開始。ビジネスカバンへの造詣も深い
児玉義也氏(東急ハンズ・フロアスタッフ) 東急ハンズ新宿店2階にあるバッグ売り場を担当。機能性を重視した目線でバッグを選ぶ
関龍太氏(三越伊勢丹・バッグ&ラゲッジ セールスマネージャー) 伊勢丹新宿店メンズ館の紳士鞄売り場を担当。今春のリニューアルに合わせブランドを刷新
小俣豊氏(そごう・西武商品部 ファッション担当) そごう、西武各店の紳士カバン、雑貨売場をマーチャンダイジングする
(文 大石七里、写真 小西範和)
[日経トレンディ2019年4月号の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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